Category Archives: 山のお話

南アルプスの天然水の栗沢山 2018年7月26日

歌手の宇多田ヒカルさんが南アルプス天然水のCMに出演していた時に登っていた山がずっと気になっていた。最初見た時、笊ヶ岳かなと思ったのだけど、ネットで調べてみると「栗沢山」という山なのだそうだ。笊ヶ岳って、どこから登ってもしんどい山なので、さすがにあり得ないか。

栗沢山は南アルプス北部、早川尾根の最北端にあり、標高は2,714mもある。標高が高く、開けた場所にあって、展望バツグンなのに、登りやすいというCM撮影にはうってつけの場所だ。この辺りは黒戸尾根から甲斐駒を登ったぐらいで、来た事がない山域だったし、家族でハイキング気分で登るにはかなりいい山かなと思って、家族で登ってきた。

栗沢山で宇多田ヒカルごっこ

栗沢山で宇多田ヒカルごっこ


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七面山(敬慎院)日帰り登山 2015年3月26日

七面山(標高1,989m)は登山口付近の町から他の山との違いを感じる山だ。身延山久遠寺の西方裏鬼門に位置し、奥の院がある信仰の山として知られている。実際に登ってみると、登詣している多くの参拝者の方とすれ違う。久遠寺のように観光客は多くないが、参拝者の為のタクシーや旅館などがあり、慎ましくも賑やかさがある。

敬慎院

参拝者が目指す敬慎院は山頂近くの標高1700m付近にあるのだが、山中における寺院の規模としては、国内ではかなり大きな方に分類されるだろう。私個人としては、想像してものよりも壮大で圧倒された。敬慎院は宿坊があり、多くの方が泊まられている。今回は宿泊しなかったが、私もいつか泊まってみたいと思っている。

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茶臼岳から聖岳への縦走登山 2014年8月 2泊3日単独テント泊

山行日時:2014年8月2日(土)-8月4日(月)

[ルート] ルート概略はこちら
(1日目)8時間40分
沼平(7:30)-茶臼岳登山口(8:00)-横窪沢小屋(11:40-50)-茶臼小屋(14:25-15:15)-茶臼岳(15:45-15:50)-茶臼小屋(16:10)
(2日目)13時間10分
茶臼小屋(4:30)-上河内岳(5:55-6:00)-聖平小屋(7:30-8:00)-聖岳(10:00)-奥聖岳(10:20-25)-聖平小屋(12:00-13:00)-椹島(17:40)
(3日目)4時間
椹島(5:30)-沼平(9:30)

茶臼-上河内-聖稜線からの虹

[感想]

 南アルプス最南の3000m峰である聖岳。南アの魅力は何と言っても、その自然である。森林限界の岩稜帯に入ってなお、低木や花を見ることが出来る。上河内から聖平小屋までの間や、聖岳から奥聖の3000mの稜線にも見られる高山植物は南アの奥深さを味わえる場所だ。
 今回のルートは、畑薙第一ダムから茶臼に上がり、上河内を経て、聖へとアプローチするポピュラーなルートだ。2日目は聖平小屋泊というのが一般的だが、強行して椹島まで降りた。天候が下り坂であったというのもあるが、椹島には生ビールと日本酒、そして、お風呂があるなど、2日間の縦走で疲れきった体には魅力的なキャンプ場なので無理しても行きたくなる。
 本ルート上に目立って危険な箇所は無い。全体にきっちりと保全されているので、特に必要な技術は無く、体力さえあれば、問題なく登頂出来る。体力についても、小屋を使うという選択肢を取るのであれば、体力的にもかなりセーブ出来るので、体力の劣る方でもアプローチ出来るルートだと思う。

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青薙山-稲又山-所の沢越 登山 1泊2日単独テント泊(2014年6月)1日目

山行日時:2014年6月20日(金)-6月21日(土)[全体ルートはこちら]

(1日目)3時間

沼平(13:40)ー青薙山登山口(14:20)ー池ノ平(16:40)

(2日目)12時間40分

池ノ平(4:30)-青薙山(7:20-7:25)ー稲又山(9:20-9:30)ー所の沢越(11:00-11:05)ー中ノ宿吊橋(16:45)ー沼平(17:10)

早朝の赤崩上部からの景色

早朝の赤崩上部からの景色

[概略]

 登りがいがあり、静かな登山を楽しむ事が出来るルート。実際に、誰にも出会わなかった。それだけに、一般登山道のように管理された山域ではなく、崩壊など危険な箇所が多々有り、技術と体力を要する。特に、所ノ沢越から中ノ宿吊橋の間においては、沢周辺での崩壊による道の喪失など、ルートファインディングが著しく困難な場所などがあり、単独ではリスクが高過ぎる登山となる。
 しかしながら、危険ではあるものび、中ノ宿から所の沢越を経由して笊ヶ岳へ向かうルートは、椹島からのルートが拓かれる前のクラシックルートでもあり、大変魅力的でもある。ルートの保全がされておらず、非常に危険なルートではあるが、決して、通れないルートではないので、自己責任の上、十分な準備をして注意して入山するといいと思う。

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青薙山-稲又山-所の沢越 登山 1泊2日単独テント泊(2014年6月)2日目

山行日時:2014年6月20日(金)-6月21日(土)[全体ルートはこちら]

(1日目)沼平-池ノ平

(2日目)12時間40分

池ノ平(4:30)-青薙山(7:20-7:25)ー稲又山(9:20-9:30)ー所の沢越(11:00-11:05)ー中ノ宿吊橋(16:45)ー沼平(17:10)


[2日目] 池ノ平から青薙山、稲又山を経由して所の沢越から下山

2.ルートファインディングを楽しむ青薙山からの縦走

 ルートマップ:③〜④

青薙山山頂展望なし

青薙山山頂
縦走の途中途中に展望

 池ノ平から少し登ったところに大崩壊地の一つである赤崩がある。今も崩壊が続いており、絶えず、砂礫が崩れ落ちていく音が聞こえる。池ノ平まで程ではないが、ここからもしばらくはキツイ登りが続く。しかし、急な登りを過ぎると、次第に緩やかになり、青薙山から稲又山の間は快適な縦走路に乗れる。

 青薙山山頂はそっけない感じだが、テントが張れる平場がある。縦走の途中、途中で展望が開け、西側に聖岳、上河内岳などを望む事が出来る

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大札山、蕎麦粒山、高塚山、千石平(鋸山)縦走 2014年4月27日

山行日:2014年4月27日(日) 時間:11時間26分 距離:28.5km 天候:晴

[ルート]
大札山肩登山口(4:50)-大札山(5:20-25)-蕎麦粒山(7:50)-高塚山(9:25-30)-鋸山(11:45)-千石沢登り口(12:50)-蕎麦粒山(14:30)-大札山肩登山口(16:16)

[ルート概略]
①大札山肩登山口から大札山
 大札山は北尾根にアカヤシオ・シロヤシオの群生があり、大変見応えがある。頂上は開けており、展望が良い。アカヤシオの見頃は4月下旬で、シロヤシオは5月中旬頃のようだ。ファミリーにおすすめの山で、のんびりとしたハイキングに最適。

1_大札山アカヤシオ

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花沢の里 〜 満観峰 〜 日本坂峠 ハイキング

 焼津でハイキングというと、焼津の雄、高草山が最初に思い浮かぶ。標高501mの低山で登りやすい山なので、ファミリーでゆっくり楽しめる山だ。その高草山と連峰をなしている「満観峰」という山がある。焼津側からは奥まっており、静岡市に位置する為、高草山より知名度が劣るのだが、満観峰の山頂はその名前に劣らない素晴らしいパノラマで、非常に見応えがある。

満観峰から富士山

 そんな満観峰であるが、私のオススメルートは、花沢の里から鞍掛峠、満観峰、日本坂峠を経て、花沢の里に戻ってくるという周回コースだ。ファミリーでワイワイ登るとすると、休憩を含めて5時間程度は必要かも知れないが、急坂が少なく、比較的楽に歩ける道だと思う。小学校低学年の子にはちょっと厳しいので、満観峰から鞍掛峠に戻るピストンでもいいと思う。

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田代から小無間山、大無間山への登山(単独テント1泊)(後編)

山行日時:2013年6月29日(土)-6月30日(日)(曇り、霧)
本記事は前編があるので、そちらからどうぞ

3.小無間山から大無間山

イワカガミ

イワカガミ

 小無間山から奥の道はこれまでと打って変わり、緩やかな稜線上となる。景観は楽しめないが、森林の中を快適にトレッキングしていく事ができる。低山でこういう場所はあるのだが、2000mを超えて、これほどの距離で深い森を楽しめるのは、南アルプス深南部における最大の醍醐味だ。

 中無間山のところで折り返すような感じになるので、道に迷う事があるようだが、トラロープが貼ってあるし、前後には大目にテープが貼ってあったので、注意していれば問題はないと思う。ただ、非常に歩きやすい道で快適なので、飛ばしてがんがん歩いていると、ミスしてしまう可能性はある。ここに限らず、大きく向きを変える場所というのは、方向感覚がずれるので、間違いやすい。

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田代から小無間山、大無間山への登山(単独テント1泊)(前編)

山行日時:2013年6月29日(土)-6月30日(日)(曇り、霧)

[大無間山(だいむげんさん)について]

 アルプス深南部と呼ばれる山塊にあり、標高も2329mと、このエリアでは雄大な存在で、原始的な山の雰囲気を感じ取る事ができる。しかしながら、知名度は高くなく、奥深いアプローチ、途中に水場がないなどもあって、一般の登山者を寄せ付けない雰囲気となっている。

 登山コースとしては、井川湖(田代地区)からのピストン、寸又峡(大樽沢)からのピストン、或いは、それらを繋げた縦走などがある。それ以外にも寸又峡から風イラズを経由するコース、沢から上がるなどのバリエーションルートが幾つかあるようだ。

 寸又峡(大樽沢)からのコースは踏み跡が不鮮明という事もあり、田代からのピストンが最も一般的となっている。しかしながら、2013年に入ってからと思われるが、P1と小無間山の間の核心部となる崩壊地が、思いの外、劣悪な状態になっており、どのルートを取っても難易度が高いと思われる。

倒木エリア

 さて、今回の山行は、田代(井川湖)から1泊2日で往復する事にした。登ってみた感想としては、小無間小屋から続く強烈なアップダウンでかなり疲弊したという事、また、P1から小無間山に続く地点にある崩壊があまりにも怖かったのだが、中無間山から大無間山の間の神秘的な森林の風景に深い感銘を覚えた。ここまでの行程が大変だったという心理的な部分もあるし、登山中、ずっと霧がいい具合に出ていた事もあって、私の中でイメージする幽玄な風景というものがそこにあった。

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第6回「親子で大谷崩れの森づくり」植樹イベントに参加(後編)

⇐前編はこちら

2.カミネッコンを作成し、木札記入など、植樹準備

カミネッコン組み立て中

カミネッコン組み立て中

□ カミネッコン作成

国土交通省の方の説明が終わると、いよいよ、植樹の開始だ。まずは、カミネッコンという再生紙ダンボールから作られた紙枠型を組み立てる。組み立てると六角形の鉢植えみたいなものになる。この中に培養土と苗木を入れて、植えるのだ。カミネッコン組立は、やり方が分かれば、小学生でも難なく組み立てられる。

カミネッコン新聞紙入り

カミネッコン新聞紙入り

カミネッコンの壁部に隙間があって、そこにたっぷり水を浸した新聞紙を入れておく事で、苗木にしっかりと水を与える事が出来るそうだ。この辺りの土地は石が非常に多い為、水が溜まりにくいという問題がある。こうやって、苗木の周りに新聞紙があると、雨が降った時に、紙に染みこんでいくので、こういう地質の場所でも、ゆっくりと水を与える事が出来る。 カミネッコンとか初めて見たのだが、本当に日本人は色々と開発・発明してくれる方が大勢いらしゃる。

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