田代から小無間山、大無間山への登山(単独テント1泊)(後編)

山行日時:2013年6月29日(土)-6月30日(日)(曇り、霧)
本記事は前編があるので、そちらからどうぞ

3.小無間山から大無間山

イワカガミ

イワカガミ

 小無間山から奥の道はこれまでと打って変わり、緩やかな稜線上となる。景観は楽しめないが、森林の中を快適にトレッキングしていく事ができる。低山でこういう場所はあるのだが、2000mを超えて、これほどの距離で深い森を楽しめるのは、南アルプス深南部における最大の醍醐味だ。

 中無間山のところで折り返すような感じになるので、道に迷う事があるようだが、トラロープが貼ってあるし、前後には大目にテープが貼ってあったので、注意していれば問題はないと思う。ただ、非常に歩きやすい道で快適なので、飛ばしてがんがん歩いていると、ミスしてしまう可能性はある。ここに限らず、大きく向きを変える場所というのは、方向感覚がずれるので、間違いやすい。

巨大な倒木

巨大な倒木

 この中無間山の折り返し地点を過ぎてちょっと行った窪地に、巨大な倒木がある。根っこからいっている。最近倒れたものなら、根の辺りの土がはげているのだが、それがなく、綺麗な状態なので、随分と昔に倒れた事が伺える。よく見ると、巨大な倒木の下にも倒木がある。一緒に倒れてしまったのだろうか。

 周りを見るとこの他にも多くの倒木があり、風を受けやすいところなのかも知れない。倒木が多く、木々の隙間があるので、窪地に多くの光が差し込む。時間が止まったような景色だ。今朝の登り始めから誰にも合わず、困難な登山道の先に、霧に覆われた幽玄な景色が現れた。私にとって深南部を登る楽しみの一つで、大無間山のここは、まさに理想的なものだった。

遭難碑

遭難碑

 そこからもう少し、緩やかな登りを歩くと、途中に遭難碑があった。1965年5月3日に、大無間山から小無間山へ向かう途中に、吹雪にあって遭難したとの事だった。ご冥福をお祈りしつつ、自らも最大限の注意、事前の準備をしておく事の重要さを改めて確認する機会になった。

寸又峡分岐

寸又峡分岐

 ここからしばらくいくと、寸又峡側へ降りるルートの分岐があり、そこを過ぎて、もうしばらく登ると、いよいよ大無間山に到着。大無間山の山頂は割りと広くて、ゆっくりとしているので、ここにテントを張るのもよかったな〜と思う。奥の方に、風イラズへの登山ルートがあった。今度来る時は、こちらから上がってみたいなと思っている。山頂でおにぎりを一つ頬張って、すぐに下山開始。さすがに18時前には小無間山に着いておきたい。

4.大無間山から小無間山へ

大無間山山頂

大無間山山頂

 大無間山からの戻りは快適。道に迷うような場所もなく、中無間山までは緩やかな下りが続く。中無間山から小無間山に掛けては少し登るところもあるが、全体に緩やかな勾配をゆっくり歩く。

 小無間山に誰かテント張ってるかなと思いつつ、17時半頃にテン場に到着したものの、やはり誰もいない。今晩は小無間山山頂を独占。日が暮れる前に食事と思って急いで食べたものの、この時期の日は長く19時ぐらいまでは明るさがあった。

[2日目]

5.小無間山から下山

6/30小無間山キャンプ

6/30小無間山での幕営

 鳥の声で4時半に起床。特に出発時間を決めていたわけではないけど、もう少し早く起きたかった。大分、疲れていたようだ。霧は出ているが、雨はなし。崩壊地の事がとても心配で、雨が降ったら降りれないなと心配していたので、よかった。

 小無間山からしばらく急登を下っていく。夜中に少し雨が降ったことと、常にミストが出ている状態となっている為、木の根、石が多いコースだと非常にスリッピーな状態となるので、注意して降る。

小無間山からP1への途中

小無間山からP1への途中

 しばらく降って、例の核心部へ至る。やはり怖い。一度、通っただけに余計に怖い。昨日は良く見ずに通りすぎたのだけど、ロープの括りつけてある部分を確認。早々、折れる木ではないし、ロープも2本、しっかりと張ってある。

核心部ロープ

核心部ロープ

 ゆっくりと、取り付く

 ロープがしっかりしているので、体を預けてしまってもいいのだろうけど、それはやはり怖いので、左手でロープ、右手は掴める場所を探りながら、ゆっくりと渡る。渡りきった辺りで、今回の登山で初めて人に合う。二人組の男性で、経験豊富そうな感じだ。少し話しをしてすぐに別れたが、先行の男性は難なく渡っているようだった。怖くないのかなぁ。。。

大無間山核心部上から

大無間山核心部上から

 ここから、再び、苦痛のP1〜P4のアップダウン。水と食事を消費したので、荷物は少し軽くなっているので、行きよりは楽な気もするが、疲労もあって、ペースは上がらない。途中、少し小雨。

 P4のある小無間小屋まで戻ってきたところで、一息付いていると、単独の方が一人登ってきた。足取り軽く、話しはしなかったが、荷物などの感じからして、日帰りだろうか。健脚そうだ。

 ここからは緩やかな下り。かなり気が緩んでしまい、2−3度、転倒。スティック(と言っても棒ですが)を使っているせいもあって、ペースが上がりがちで、ウエットなコンディションでは気をつけないと転倒してします・・・。危険なところよりも、意外と、何でもないところの方が怪我をしやすいかも知れない。

田代諏訪神社とご神木

田代諏訪神社とご神木

 9時半には無事、登山口に到着。折角なので、諏訪神社を参拝させて頂く。思いの外と言っては失礼かも知れないが、立派なご神木があるしっかりとした神社だった。神主さんが常駐しているわけではないと思うのだけど、綺麗にしてあった。田代の方々で清掃しているのだろうか。
 

6.白樺荘で温泉

アルプス赤石温泉 「白樺荘」

 下山後はやはり温泉である。田代にも日帰りがあるようなのだが、南アルプスと言えば、やはり白樺荘である。ここから10km程度あるが、折角なので、向かう事にする。10時半頃であったが、既にお客さんが居た。登山客だけではなく、観光、地元の人など色々だな。

 泉質は単純硫黄泉で、ぬるっとした感じ。以前の白樺荘を知らないので、何とも言えないのだが、立て直す前の白樺荘の方が味があり、湯質も良かったと聞く。実際、どうなんだろうかと思うが、個人的には今でも悪くないと思っている。

 温泉からは茶臼岳などを眺める事が出来るので、8月は茶臼を経由して、聖岳か光岳に行きたいなという思いが湧いてくる。

アルプス赤石温泉「白樺荘」

◯場所・交通など
 所在地:静岡市葵区田代1110-5(畑薙第二ダム湖畔)(クリックするとGoogle Mapに移動)
 交通:自家用車の場合、てしゃまんくの里から県道60号を約15分(約10km)

◯日帰り入浴利用時間
 時間:午前10:00~午後6:00(12月~3月は午後5:00まで)
 日帰り入浴休業日:毎週火曜日(祝日の場合は翌平日)、ただし8月と11月は無休

◯料金
 日帰り入浴:中学生以上 500円、小学生 200円

◯参考URL
 静岡市の公式ホームページ
 オクシズ100選
 今の明石温泉「白樺荘」の様子(まほろばジャーナル。様)
 リニューアル前の明石温泉「旧白樺荘」の様子(温泉おやじの湯めぐり日記様)

◯泉質
 単純硫黄泉

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