オフショア開発の外注先を選ぶにあたって

 オフショア委託と言っても、色々あろうかと思います。簡単に思いつくのは、
 (1)システム開発
 (2)クリエイティブ委託
 (3)業務委託
 のようなところでしょうか。(1)(2)というのは比較的分かりやすいものです。(3)に関しては、インドとアメリカが既に達成しているようなオフショアの一つの完成系とも言えるもので、業務自体をオフショアするものです。コールセンター業務の委託が有名かと思います。ここまで行くと、アメリカ国内の産業空洞化という話になり、法律改定の動きにまで発展しているようです。
 http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_6/america_01.htm


 空洞化という話がある一方で、経営者側から見た場合、よりコストの安いところへ移転していくのは自然の流れであり、他社が行う一方で、自社が行わないという選択肢は取れないと思われます。従業員側から見ても、本当に実力がある人にとっては逆にチャンスだと思いますが。
 「安いところへ移転」ここがポイントです。移転するからにはコストが下がらなくては、現実的に何の意味も持ちません。つまり、昨日のブログで書いた通り、失敗をしないようにしないと程度の差はあれ、損失を被ります。
 (1)システム開発
 オフショアのシステム開発会社に仕事を発注する方法としては三つあろうかと思います。
 (オプションA)自社でシステム開発会社を探す
 こちらに来てみると分かりますが、日系向けに仕事が出来る開発会社は少なくありません。中国企業向けにやるよりも、明らかに利益率がよいですから、皆さん、受託を目指しています。
 ですので、日本の開発会社を選ぶのと同様に、慎重に比較、調査をすればよいと思いますし、入札形式を取ってみるのも手です。
 (オプションB)コンサルタントを使う
 オフショア開発と銘打たないまでも、色々なコンサルタントが存在しておりますので、相談してみるとよいかと思います。なんといっても楽です。全部やってくれますし、ノウハウと人脈をもっているので、うまくやってくれるのではないでしょうか。
 (オプションC)ブリッジ系SEを抱える開発会社を使う
 日系の開発会社で、中国国内に提携先を持っている会社さんもあります。この場合、オプションAと比べると割り高になりますが、実績もありますし、悪くないオプションかも知れません。これであれば、日本に発注しているのと殆ど同じ感覚で、コストだけが下がるという計算です。
 コストを最大限に下げるのであれば、自力で探して、自力でアプローチするオプションAが一番です。難しそうに思えるかも知れませんが、現実的には可能だと思います。と言いますのも、オフショア開発拠点の自社設置ではなく、システム開発の外注という事ですので、受託業者がまともであれば、日本国内に発注しているのと大差ありません。
 更に、相手が日系(日本資本)で、日本的なスタイルを組んでいる場合であれば、尚更です。相手が中国系であった場合、交渉の難航化、トラブルが発生した場合に、対応が難しいのではないでしょうか。
 ちなみに、弊社のような会社であれば、受託契約書も日本語、準拠法も日本法となっておりますので、特に難しい知識はいらず、コストだけ下げれます。場所が離れているという事と、実際に働いている人の国籍が異なるだけです。
 (2)クリエイティブ委託
 ここもシステム開発と同じような方法でオフショア開発が可能です。微妙なニュアンスを伝えていく事が非常に難しいと思います。但し、クリエイティブの場合は、制作された結果からある程度の判断は可能ですので、制作されたものを見て、判断していくしかないと思います。
 
 いづれの方法を取るにしても、ノウハウがない段階で、中国企業と直接交渉していくのは、相応の覚悟が必要です。話が通じる日系企業と話をするか、コンサルやブリッジSEを抱えている会社を使っていくべきです。中国国内で、中国企業と直接取引きをするのは、膨大な知識が必要になる上、経験を要します。
 日系企業と直接やるか、コンサル、ブリッジSEを使うかという考えでいうと以下のようにケースに分ければ最適化と思います。
 
 [ソフトウェア開発会社、コンサル会社、一般企業のシステム部門の方達がオフショア外注先を探す場合]
日系直発注がいいと思います。仕様を自力でまとまるならば、後はコミュニケーションを如何にして取るのかという事になりますので。もっともコストが安くなると見ています。
 [一般の企業の方達がオフショアに挑戦する場合]
 間違いなく、コンサルかブリッジSEを抱えている会社に依頼するべきです。そこの費用を換算しても、安くなるケースであれば、オフショアを検討するというスタンスでいいと思います。当然ですが、オフショア開発は万能ではなく、マイナス面もあります。オフショアを行う場合、最低限、仕様はきっちりまとめられる事が必要になってきます。
 [オフショアセンターを設置]
 コンサルタントが必須だと思います。その上で、社内の人材を充実させていく事が必要です。社内の人材についてはココ

One thought on “オフショア開発の外注先を選ぶにあたって

  1. 中国オフショア開発最前線

    パートナー選定時の基本的な考え方

    ■実績を買うか?将来性を買うか?
    私は、パートナー選定時に、まず、以下の2つのどちらを選択するか?を考えるべきだと思います。このどちらを選択するかによって、その後の候補パートナー探しの方法が大きく変わってくるからです。

    Reply

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