中国で自社のオフショア開発センターを設置する場合、大きく分けると二つあろうかと思います。
(ケース1)会社設立
(ケース2)代表事務所の設立
法人設立と代表事務所の違いは、中国国内で営業をするかどうか、つまり、代表事務所が収入をえるかどうかです。現実的には、ケース2で設立するのは、法律的にグレーな面が出てきてしまうので、ケース1を取ると思います。
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中国オフショア開発のリスク
中国各地で反日に関するデモを初めとする事件がおきているようです。上海ではそんな雰囲気は特に感じないですし、知り合いの中国人達も、知らない人が殆どなようで、何の変わりもなく過ぎています。中国では報道規制がある為か、そういうセンシティブな話題をニュースで取り上げる事はないようです。
ただ、こういった事件があると、日本のメディアは殊更に取り上げ、中国が非常に危険な国であるかのようなイメージを作り上げます。確かに、反日感情というのはある所には根強くあり、全く存在しないという事はありませんので、リスクはあるかと思います。
しかしながら、そのリスクというのは私が知る限りでは限定的なものであると思います。また、中国のビジネスマンたちはそれよりも実利を求める傾向にある事は言うまでもありませんし、国としても、最大の投資元である日本からの投資が冷え込むと、景気に直結しますので、ある程度はコントロールされていくと考えるのがリーズナブルだと思います。
オフショア開発における情報共有ツール -新規開発のケース-
オフショア開発でのクライアントとの情報共有の仕方ですが、基本的には日本で行っているのと変わりません。日本で行う場合でも、オンサイトによる開発でない限りは、大抵の場合、何かしらの情報共有ツールを使っていると思います。
オフショアでの新規開発の場合、共有のターゲットとなる情報は、
A)プログラム
B)データベース
C)基本仕様
D)変更仕様
E)バグ管理
辺りかなと思います。保守になってくるともう少し変わってきますが、とりあえず、新規開発のケースのみです。
オフショア開発ビジネスの勘所(課題)(3/3) – プロジェクト管理(2/2) -
文化に起因した感覚の違いが大きい中で、どのようにして管理していくかは、オフショア開発を成功させる為の大きな課題だと思います。もちろん、プロジェクト管理ツールを使い、PMBOKのような技術を使っていく事は基礎的な事としてあると思います。ただ、「感覚の違い」を認識し、そこへの対応をしていく事が非常に重要だと思います。
そもそも、日本で開発した場合と上海で開発した場合、どの辺りに違いがあるのかというところですが、
1)クライアント(エンドユーザ)へのレポーティング
2)言葉の違い
3)言葉の定義の違い
の辺りになってきます。特に、3)です。これが最も大きな違いを感じます。
オフショア開発ビジネスの勘所(課題)(3/3) – プロジェクト管理(1/2) -
オフショアというか、中国で日本向けに仕事を行っていく為には、品質が最も重要になってきます。それではシステム開発における品質とは何でしょうか?システム開発における品質とは顧客のビジネスを「実現させる」、または、どこまで顧客のビジネスを「加速させる」事が出来るものが仕上がるかだと思います。
もし、これがインターネットを使ったサイトであった場合、「集客」が課題になります。見込み客を集客し、そこから実利益を生む為の仕組みとして最適なものになっているかという事になります。
オフショア開発ビジネスの勘所(課題)(2/3) – 営業 -
オフショア開発ビジネスをやっていて課題の一つとなるのが営業です。この辺りについては、同業他社さんの動向や、意見の交換等を行ってみても、営業に苦戦しているという現実があるようです。
かく言う弊社も苦戦しているので、大そうな事は言えませんが、この辺りについて少し書いてみました。
オフショア開発ビジネスの勘所(課題)(1/3) – コミュニケーション -
オフショア開発、というか、ビジネスの勘所(課題)は三つだと思っています。
(1)コミュニケーション
(2)営業
(3)プロジェクト管理
この三つが「核心」だと思っています。逆に言えば、これを超えたら、目標を達成出来ると思います。
今回はコミュニケーションについて。
現地採用スタッフの残業からみる日本と中国での管理の差
オフショア開発に限らず、ソフトウェア開発というのは、「人材」に依存します。原価コストの大部分は「人件費」であり、そこのコントロールが会社の運営の成否を分けると思います。そこで、「人」について、少し考えてみたいと思います。
よく、中国人は残業しないと言われます。確かにそうと言えばそうなんですが、人にも因りますし、状況にもよります。日本のソフトウェアハウスの社員のように盲目的に残業をする事はないと思います。
恐らく、残業に価値を見出せないのと、早く帰って、勉強してスキルアップしたりしているんじゃないかと思います。ただ、残業をする人はしますし、マイルストーンを置かれたポイントであったり、自分の作業が遅れていたら残業します。
オフショアビジネスの広がり
今日の昼、面白い方と会食させて頂きました。やはり、同様に上海にてオフショア展開を図られている方です。弊社とは、商材が違うのと、スタイルが異なるかなと感じました。しかし、商材、スタイルが異なるとは言え、狙いは同じです。
昨日お会いした方と言い、今日の方と言い、徐々にオフショアビジネスが芽を吹き始めています。ここ上海に来ると直ぐに分かる事ですが、非常に能力の高い人の人件費コストが安く、且つ、人数が桁違いです。サービス産業の展開という点で、これほど有利な土地はありません。
オフショア開発の外注先を選ぶにあたって
オフショア委託と言っても、色々あろうかと思います。簡単に思いつくのは、
(1)システム開発
(2)クリエイティブ委託
(3)業務委託
のようなところでしょうか。(1)(2)というのは比較的分かりやすいものです。(3)に関しては、インドとアメリカが既に達成しているようなオフショアの一つの完成系とも言えるもので、業務自体をオフショアするものです。コールセンター業務の委託が有名かと思います。ここまで行くと、アメリカ国内の産業空洞化という話になり、法律改定の動きにまで発展しているようです。
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2004_6/america_01.htm