2.1. 初めてみよう!たった5つの管理表

第二章 実践!管理表の書き方、活用法

<<前節 1.3.ウーダ(OODA)ループ

どんぐり農園が効率的な農業経営の為に作成している主要な管理表は以下の5つ。

# 名称 内容 更新頻度
A 作業管理表 日々の作業計画・実績、日記(感想)などを記録 毎日
B 圃場管理表 作付計画、施肥、農薬など、農作業の全ての基礎となる管理表、年次、作物ごとに作成 作付計画段階で作成し、都度更新
C 販売管理表 日々の出荷数量、販売金額データを記録した管理表。商品毎、月毎の販売成績をデータ化 出荷・販売がある日
D 人材管理表 シフト管理、勤務実績、給料計算などの管理表 週一程度
E 事業計画表 現状を分析し、今後の事業計画を立案したもの 4半期毎
表2.1.1. 主要5大管理表

これらをOODAに当てはめてみると図2.1.1.のようになる。

図2.1.1.管理票とOODAの対照表

図2.1.1.管理票とOODAの対照表


実際の農作業がActになるので、人材管理についてはAct(農作業)ではなく、Orient(作付け計画)になるかも知れないが、適切な人員配置という意味で農作業段階の管理表としている。4つのOODAの中でも、ビッグOと呼ばれるOrientが最も重要な位置づけになるのだが、どんぐり農園にとってもアグリプロジェクトマネジメントのコアとなっているのが「圃場管理」である。これが全計画の中心となる。

状況や変化に合わせて、他にもいくつか追加するものがあってもいいかも知れないが、多くなり過ぎると記述する負担が大きくなり、逆効果になる可能性もある。農業は計画しただけでは意味がなく、計画と実行のバランスが重要で、表2-1の5つが量的にちょうどいいと思う。もちろん、5つのファイルだけでもなかなかのボリューム感だが、毎日更新するのは「作業管理」「圃場管理」「販売管理」で、1日10〜20分程度の作業量だ。「作業管理」は直近の作業計画と日記のようなものなので、必ず更新が必要だが、安定した作業が続く時は5分もあれば終わる。「圃場管理」は作付け計画を立てる最初の段階で作成し、作業の進捗があれば完了チェックし、変更があれば変更を加えていく程度で、最初の計画時は大変だが、管理段階では記述の負担は多くない。「販売管理」は出荷がある時だけ記述が必要で、商品種別が多いトルコキキョウなどは少し記述に時間が掛かるが、野菜は全般的にシンプルに記述出来る。

1日の農作業が終わって、とても疲れた状態でこういった管理表を書くのは、非常に面倒な事ではある。特に、農作業の繁忙期に入ってからは、毎日、目が回るように忙しく、体力的にも苦しい時だ。しかし、こういう時に気づいた事は翌年以降の作業の改善に繋がる貴重な情報があるし、繁忙期こそ、圃場での作業時間が非常に貴重なので、机の前で状況をしっかりと整理し、現場での作業をスムーズに進めるようにしなくてはならない。どんなに疲れていても、作業管理だけは簡単なメモレベルでもいいので、その日の作業の見直しと、翌日の計画、及び、1週間先までの作業予定を日々更新していくようにしている。

但し、全てを把握し、1日先であっても完璧な計画を立てられるわけではないので、実際の作業の現場ではある程度の変更を許容するようにしている。例えば、YRF01という圃場で5列目のレタスを収穫するという予定としていたものの、実際に収穫を初めてみると、少し適期より早く、一方で先の列にある別の品種の方が先に適期に来ているという状況であれば、計画にこだわらず、現場リーダの判断で変更を行うべきだ。

もちろん、どんな変更でも許容されるという事ではなく、収穫予定数量と大きく乖離するような変更は許容されるものではないので、現場だけではなく、全体を把握出来る上長に判断を仰ぐべきで、現場で変更し、事後報告で許されるもの、許されないものの線引をしっかりしておくべだ。また、作業を変更した場合には、作業管理や圃場管理に実績を記述し、延期されたその日の予定の仕事をいつカバーするかという事を再計画しておく。

次節からGoogleスレッドシートを使った実際の表の作り方を解説していく。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *


(上記4文字の英数字を入力してください)※

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>