とうもろこし(スイートコーン)の中央卸売市場価格月別推移

下記はとうもろこしの過去5年分(2014年〜2018年)の中央卸売市場の相場データを表にしたものだ。とうもろこしは2019年8月25日のトランプ大統領と安倍首相による日米共同記者会見で発表された日本による米国産トウモロコシの大量輸入で話題になったが、これは飼料用などであって、食用とうもろこし(スイートコーン)相場への影響はあまりないと思われる。とうもろこしは一年を通して需要と供給のバランスが、ある程度、決まっており、年次による価格差が少ない安定した作物である。

中央卸売場とうもろこし卸売単価(単位:kg・円)2014-2018 どんぐり農園にてグラフ化

中央卸売場とうもろこし卸売単価(単位:kg・円)2014-2018 どんぐり農園にてグラフ化


安いか高いかに極端に分かれる作物であるが、高値安値をざっくり分類すると以下の通り。

価格帯
最高値 4月
高値 1月,2月,3月,5月,12月
中値 11月
安値 6月,7月,8月,9月,10月

冬季の価格は高めで安定し、4月に最高値となって、それ以降は下がっていく傾向だ。5月は何とか持ちこたえるものの、6月には一気に最安値まで落ちて、それ以降は10月まで安値が続く。これは、6月上旬辺りまでの出荷はビニールなどによる保温による促進栽培が必要であり、出荷数量が限られるが、6月中旬から10月ぐらいまでの出荷は露地で作りやすい時期の為、どこかの産地が大量に出荷することが可能であり、数が溢れて値段が下がるという事だ。11月以降は抑制栽培かビニールハウス栽培となり、出荷が激減していく。

冬季国産はビニールハウスでの栽培が必要であり、不需要期であっても、最低限の需要はあるので、価格が維持出来る。ただ、タイ産などの外国産が増えてくると果たしてどうなるかという心配はある。現在、タイ産、米国産、中国産が日本に入ってきている。他の月より突出した高値の4月は沖縄の終盤、宮崎の出始めという事で、数量がまとまりにくいが、気温も上がり始めて、需要期に入り始めている為、価格が高くなると思われる。各産地の出荷数量データ(2017年のみ)は下記の通り。

出典:中央卸売市場統計、主要産地別出荷数量推移(2017年とうもろこし)

出典:中央卸売市場統計、主要産地別出荷数量推移(2017年とうもろこし)

冬は沖縄と海外(タイ、米国など)、春は宮崎、長崎、夏前半は茨木を中心とした関東周辺と山梨、夏後半は北海道と群馬、千葉、秋は宮崎、長崎、タイといったところだ。どんぐり農園の場合、とうもろこしの出荷は2月に定植し、ビニール保温して、5月下旬から出し始めて、6月第2週までの出荷としている。市場出荷でもまあまあの値段で出せる上、食味的にも満足出来る水準というか、自分で食べてみて、一番美味しくなる時期だと思う。

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