花沢の里 〜 満観峰 〜 日本坂峠 ハイキング

 焼津でハイキングというと、焼津の雄、高草山が最初に思い浮かぶ。標高501mの低山で登りやすい山なので、ファミリーでゆっくり楽しめる山だ。その高草山と連峰をなしている「満観峰」という山がある。焼津側からは奥まっており、静岡市に位置する為、高草山より知名度が劣るのだが、満観峰の山頂はその名前に劣らない素晴らしいパノラマで、非常に見応えがある。

満観峰から富士山

 そんな満観峰であるが、私のオススメルートは、花沢の里から鞍掛峠、満観峰、日本坂峠を経て、花沢の里に戻ってくるという周回コースだ。ファミリーでワイワイ登るとすると、休憩を含めて5時間程度は必要かも知れないが、急坂が少なく、比較的楽に歩ける道だと思う。小学校低学年の子にはちょっと厳しいので、満観峰から鞍掛峠に戻るピストンでもいいと思う。


[基本情報]

登山ルート:ルート地図(国土地理院の電子国土Webシステムから取得)
ハイキングマップ:焼津市提供のハイキングマップ(PDFが開きます)

[駐車場について]
登山口は花沢の里の先にあるので、車は「花沢の里 駐車場」に停めるのだが、少し先にも臨時駐車場がある。どちらに停めても問題ないが、花沢の里駐車場に「珍鳥公園 つばさ」というのがあり、これはこれで面白いし、駐車場の前に直売所もあるので、少し遠くなるが、花沢の里駐車場に停めてみルのも一興だ。


1.[花沢の里]

花沢の里

花沢の里

 駐車場から「花沢の里」を抜けて、登山口まで約30分ほど掛かるが、長屋門造りの民家や水車小屋など、非常に風情のある町並みを楽しむことが出来る。カフェや野菜・果実の直売などもあって、ここを歩くだけでも十分に楽しめる。
 
 「花沢の里」についてはこちら:爺ちゃまのあちこち見てある記「時代屋」様

2.[登山口から鞍掛峠]

花沢の里から鞍掛峠

花沢の里から鞍掛峠

 花沢の里からの登山口は2つある。法華寺の横、お墓を抜けていくところと、法華寺を少し過ぎた辺りのところだ。鞍掛峠を目指すには、法華寺を少し過ぎた方の登山口から入山する。法華寺辺りに看板が出ているので、そこでチェックすれば間違いはないかと思う。

 登山口から鞍掛峠までは、みかん畑の横を抜けていきながら、何度か林道と交わった後、徐々に本格的な山道になってくる。峠までは40分程度ではあるが、やや急なところもあるので、標高が低いので、夏の暑い日などは少しだけ辛いかも知れない。

3.[鞍掛峠から満観峰]

鞍掛峠から満観峰

鞍掛峠から満観峰

 鞍掛峠では視界が広がり、お茶畑や、奥には満観峰などを眺める事が出来る。ベンチがあるので、ここで小休止するといい。鞍掛峠では、高草山方面、満観峰方面に行く登山道と林道の交差点になっている。また、日本坂峠へショートカット出来る道もあるが、鞍掛峠から日本坂峠へ繋ぐ人はあまり多くなく、通っている人は殆どいない為、少し分かりづらくなっている。

 鞍掛峠から満観峰までは緩やかなコースとなっていて、大変歩きやすい。展望はないのだが、トレイルランすると非常に気持ちがいいコースだ。満観峰の山頂手前でやや登りがきついところはあるが、それ程、長くはなく、小学校低学年でも十分に登りきれる(はず)。

4.[満観峰から日本坂峠]

満観峰から伊豆半島

満観峰から伊豆半島

 満観峰は、その名の通り、360度の展望を持った山頂だ。天候次第ではあるが、富士山、南アルプスの山々の展望は素晴らしい。駿河湾に目を向ければ、遠く伊豆半島が見え、眼下には南側は焼津市街・焼津港、北側には静岡市街を見渡す事が出来る。
 周りに遮るものが全くなく、まさに満観の景色で、頂上は広く、ベンチなどがあるので、夏は景色を楽しみながら、ゆっくりとランチしていってもいいと思う。冬は風が強く、この上なく寒いので、長居はしづらい。

満観峰から日本坂峠

満観峰から日本坂峠

 さて、ここから日本坂峠へはお茶畑を抜けながら(一部、放棄地気味・・・)、50分ほど、縦走していく。小さな山と言っても、それなりにアップダウンがあり、ここまで歩いてきた子どもには少し辛いと思う。実際、以前、うちの一番下の子(当時6歳)はギブアップし、途中から肩車した経験がある。ファミリー登山で、満観峰までで、子どもが疲れているようであれば、鞍掛峠の方に降りた方が楽なので、それもありだと思う。

5.[日本坂峠から花沢の里]

日本坂峠

日本坂峠

 古くから続く歴史ある古道にあり、花沢と小坂の堺が日本坂峠である。東征の際、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が越えた事で、日本坂峠と名付けられたそうだ。日本坂峠には穴地蔵があり、穴地蔵を囲う「人穴」に日本武尊が隠れたと言われている。歴史を感じる場所なのだが、意外なほどあっさりとした感じだ。北側の展望も良く、富士山がよく見える。

 以前は、多くの杉で覆われた場所だったのだが、2011年夏の台風の影響を最も受けた場所で、殆どが倒木してしまって、のぺっとした感じになっている。一時期は倒木がひどくて、全く通れない状況になっていたが、2012年には治山され、今では何もなかったように修復されている。残念ながら、以前とは大分異なる景色となってしまったが、自然によるものなのでやむを得ない。

日本坂峠から花沢の里

日本坂峠から花沢の里

 日本坂峠から花沢の里までは森の中を下っていく。途中、急で滑りやすいガレ場があるので、少しだけ注意が必要だが、危険な感じがする程の場所はない。30分程度で降りる事が出来る。

 今回ご紹介した「花沢の里 〜 満観峰 〜 日本坂峠」のハイキングコース、緩やかな山道を歴史の情緒を感じながら歩ける非常に珍しい場所だと思う。地元推しって事もあるけど、非常にオススメなので、ぜひぜひ、ハイキングしてみて欲しい場所だ。

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