親父からのメール

 さっき、親父からメールが入った。
 
 
 母親の入院に関するメールだった。今日から10日程、入院するらしい。以前から体調が悪く、ずっと心配していた。電話の声を聞く限り、元気そうだったので、油断していた。
 


 歳が歳なだけに心配だ。顔を見に行きたい、行かなくては行けない。しかし、上海と長崎とでは簡単には行かない。
 今の自分があるのは、全て両親のおかげ。感謝し切れない程の愛情を注いでもらっている。両親が健在な事は自分の精神面での安定に強い影響を与えている事は否めない。
 もうそろそろ、私が親を支える時に来ているのかも知れない。気付くと支えるものが増えている。しかし、支えてもらっているような気もしている。人生というのはそんなものかも知れない。
 事業もきっと同じだ。今年、私が起業した事業も、自分ひとりが起こしたものではない。リードを取ったに過ぎない。苦労して生んでいる事業ではあるけれども、やがて、事業が私を支えてくれる日が来るだろう。
 人が生まれてくるのに理由がないように、事業が生まれる理由もないじゃないかと思う。世の中として、必要だったんだと思う。
 人も事業も生まれてきたからには、きっと誰かにとって必要なんだと思う。
 まあ、そんなつまらない人生論なんてどうでもよく、母親の体調が気掛かりだ。親父から母親の病気に関するメールが来るとき、いつも、「心配いらない」と書いてあり、私に対する気遣いに、むしろ、痛みを覚える。
  

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