昨年からG股の放出が続いています。
G股とは、中国株式市場に上場している会社の株の内の、非流通株の事を言います。
上海株式市場は国営企業が上場するケースが多く、上場後も政府が保有したままの株が多数存在しています。非流通株が非常に多く存在しているという状況は、将来的にこの株が流通した場合、株価を下げる潜在的なリスクになるという事です。
それが中国株式市場において株を保有するリスクの一つとして捉えられており、株価低迷の一つの要因になっておりました。
この問題に対処すべく、昨年、政府はG股を流通させる政策を実施し、市場にて売却を進めておりました。この結果、昨年も株価は低迷し、6年連続で株が下がるという好景気の最中においては矛盾した状況が続いておりました。
このように非常に苦しい株式市場ではあるものの、非流通株の比率が低下すれば、株式市場は正常化し、上昇に転じるものと考えられます。
加えて、ここに来て、遂にA株を外資に開放する「外国投資者対上市公司戦略投資管理方法」という法律が発表されました。本年1/30より正式に施行される運びのようです。
ここで中国株のおさらいですが、中国国内市場(香港除く)にはA株、B株というのがあり、外資向けにはB株が開放されておりました。しかしながら、B株に上場している企業は非常に少なく、近年は新規上場企業も停止されているという事もあり投資が少ないという状況でした。また、A株とB株の株価が乖離するという非常にナンセンスな事態が続いており、B株の存在意義自体を問われる状況が続いています。
将来的にはB株は廃止されるというのがもっぱらの見方ですが、今回A株を外資に開放するという事で、現実味を帯びてくるという事になります。
おそらく、今回の開放はまだまだ制限付きのものと思われますが、近い将来の完全開放に向けた準備という意味では非常に大きな一歩であり、1979年から行われている計画経済から市場経済への移行の最終段階に入ってきていると言えると思います。
2006年はWTOの約束の最終段階であり、中国にとっては非常に重要な一年になるのではないかと思います。