社内キャリアパスの必要性(2/2)

 中国でオフショア開発会社(に限らずですが…)をやっていて、とても、大変なのは給料交渉。彼らは、がんがん主張してきます。根拠がある場合、ない場合と様々で、ここをうまくやらないと、辞めていきますし、不満をもった状態でパフォーマンスが上がらない事、しばしばです。
 中国オフショア開発会社で大変なのは、エンジニアの採用と、採用後の定着。オフショア開発はブームという事もあり、システム会社が大量に存在し、需要過多になってます。そんな状況なので、とにかく、大変。


 採用は会社のイメージ、ブランド力になるので、この辺りは会社として実績が出来るまでは、我慢せざるを得ないところでしょう。
 が、一旦、入社して頂いた後は、会社の努力で、従業員の貢献を引き出す事が可能だと思っています。会社の努力というか、体質かも知れませんけどね。
 その努力の一つが、社内キャリアパスです。
 要するに、明確な昇給ラインが必要だという事です。白黒、明確なものが好きですから。
 今のところ、まだ、技術職分しか作ってないですし、穴も多いですが、とりあえず、来週から公示し、8月から適用を開始してみる事にしました。
 大きく4職種に分け、その下に全部で9職位を設定しました。技術職員は全員、どこかの職位に入り、レベル分けされます。レベルによって、給与、与えられる仕事の質に差が出ます。
 今後の課題はレベル分けとレベルチェンジの試験、客観的な評価基準になります。日本語検定試験等は明確なんですが、技術力の評価をどうするか?技術力などは、ある程度、相対的、かつ、定性的に測っていかざるを得ないかなと思います。実はその辺り、詰まってないです。
 最初から完璧なものは作れないでしょうから、まずは、適用して、徐々に進化させていく方法を取ります。
 まあ、レベルというのがあると、面白いというか、レベルチェンジ、ジョブチェンジなど、イベント性があって、楽しいですし、目標も作れます。
 また、給与闘争をする際にも、給与の話を直接するのではなくて、レベルの話に落とす事で、実力評価主義を浸透させれるだろうという意図もあります。
 従業員:「給料上げて」
 会社:「無理」
 従業員:「他の会社なら・・・」
 会社:「他の会社は関係ないでしょ」
 従業員:「いや、一般的に上海では・・・」
 会社:「そんな事ないでしょ、一般的には・・・」
 従業員:「上げて・・・」
 会社:「ダメ・・・」
 従業員:「うーん」
 翌日・・・
 従業員:「上げて・・・」
 会社:「だから、ダメだって、上げる理由ないでしょ」
 従業員:「じゃ、辞める」
 会社:「おいおい、ちょっと待て・・・」
 と、根拠の無い、謎の押し問答が続くのはやめにしたいです。時間の無駄です。実力があって、貢献するなら昇給、そうでないなら減給。そうしましょう。本当に。
 不完全な社内キャリアパス制度ですが、なんとか公平な制度に仕上げていって、定着させていきたいです。

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