カンバン方式なオフショア開発プロジェクト管理

 オフショア開発で度々問題になる品質管理、詰まる所のプロジェクト管理なわけです。
 プログラマーの進捗管理は非常に難しいもので、感覚的な進捗管理が行われるケースも多々あります。
 弊社でもこの問題に対応するべく、昨年末からの新規プロジェクトで一つの手法を取り入れています。
 アジャイルとXP開発のハイブリッド的な手法であり、視覚性を重視した管理手法に取り組んでいます。


オフショア開発プロジェクト管理白板 今回の手法では視覚性を重視しています(カンバン的な手法)。視覚性、つまり、目で見て、直感的に進捗が分かるというところを重視しています。
 これには三つの理由、効果があると思っています。
 1)直感的に分かるので、導入が容易い上、進捗が直ぐに分かる
 2)プレッシャーが掛かるので、遅延が発生した場合に自立的に取り戻しが可能
 3)言語に頼らないで済む


 多少、アナログ過ぎる感もありますが、視覚的にする事で得られるメリットもあると考え、行っております。
 写真は実際に行っているものです。
 白板の上に黄色い付箋、Burn Downチャート、ニコニコシートを貼り付けています。
 黄色い付箋は細分化されたタスクです。基本的には6時間以内に終了出来るタスクレベルに細分化しております。究極的には2時間ぐらいまで小さくするのが理想かも知れません。
 細分化されたタスクが完了したかどうかを毎日、各人がチェックしていきます。朝会と夕会、及び、残業終了後にチェックがなされます。
 こうする事で、現在の進捗が70%とか、検証しづらい感覚ベースのものから、目に見えるものへとする事が出来ます。日本のお客様にも電子データ化されたものを示す事で、進捗を細かく確認してもらえます。
 6時間以内、つまり、一日で完了出来るレベルにする事で、本日アサイン分が完了したかどうかだけを確認してもらえばよいという事になります。
 次に、右上にあるのがBurn Downチャート。プロジェクト開始時点で、細分化されたタスクの工数の総数を左隅に上げ、納期に向かって線形的に右下がりの直線(理想線)を引きます。
 前述の細分化されたタスクを完了する毎に赤線で実績を入れていきます。
 こうする事で現在の進捗と予算のずれを時間単位で把握出来ます。これにより、プロジェクトの進捗具合を確認出来、遅れている場合は残業の発生を意味します。
 また、無駄な残業ではなく、時間で何時間ずれているかを明確にする事で、一日辺りの残業も明確に提示できます。
 加えて、最初に引く予算の線はプロジェクトチーム全員のコンセンサスを取って書いたものなので、ずれがある場合は各人の責任において残業という事になります。
 最後に、右下のニコニコマークですが、これは本日の心境です。
 子供みたいな事ですが、本日の心理状況を絵に書いてもらいます。ばかばかしいものに見えますが、遊び心があり、意外と楽しいものですし、心理的に追い込まれてないか、心理的な変化が現れてないかを判断する材料になります。
 システム開発の現場は常に苦しい事が多く、こういう小技も役に立ちます。
 もちろん、こういった事を導入する事で全てが解決するとは思いませんが、一つの前進、一つのカイゼンだと思います。
 オフショア開発の場合、言葉の壁がある事で管理を難しくしますが、絵は万国共通の言語であり、この利用が言葉の問題を一つ超える事に繋がります。
 今回はこの管理手法に加えて、ペアプログラミングという、二人対で開発を行わせ、相互監視を行うようにしております。
 が、これはまだ、全体に意図が理解されておらず、馴染むまでにはもう少し時間があるかも知れません。
 あとは、テスト工程。こちらも少し工夫を入れてみましたが、別の機会に紹介します。

One thought on “カンバン方式なオフショア開発プロジェクト管理

  1. 上海マサキ

    アジャイルなオフショア開発解説。結構、面白い。
    http

    Reply

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