他人と同じ方法で成功する事は出来ませんが、同じ過ちを犯した場合は必ず失敗します。そういうものです。というわけでオフショア開発の失敗例を研究し、同じ轍を踏まないようにする事が肝要です。
中国オフショア開発について色々と事例やら分析があるようです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20031024/135886/
http://www.atmarkit.co.jp/farc/rensai/bottleneck01/bottleneck01.html
http://www.fin-bt.co.jp/comment93.htm
http://www.acrossgate.com/point/problem.htm
http://www.digitalnomado.com/archives/000016.html
http://www.e-glad.co.jp/greeting.html
http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cstaff/serial/offshore/07/01.html
他にも色々ありますが、とりあえず、こんなところです。これらを見てみると、大体同じ失敗です。失敗する場合の原因は、日本側(発注側)と中国側(受注側)双方にあるようです。
[日本側]
日本側の主要な失敗要因は三つあると思われます。
(オフショア開発失敗要因1)能力不足の担当者のアサイン
今の所、テスト的に発注するケースが多く、会社で重要な案件を任せているような人材を投入する事が出来ない為、経験が浅かったり、国際的な感覚を持ってない人を担当者にアサインしたりする事があるようです。
この場合、オフショアであろうがなかろうが、失敗するのではないのでしょうか。オフショア開発の失敗というよりは単なるプロジェクトの失敗だと思います。
(オフショア開発失敗要因2)外注先の調査不足
調査の方法がない、あるいは、分からないという事もあろうかと思いますが、外注先がどのぐらいのレベルなのかを入念に調査せずに発注し、実際は実力がなかったりする事があるようです。この問題は確かに難しいと思います。どんなに調査しても分からないと思うので、小さなパイロットプロジェクトを投げてみるか、現地の開発会社に詳しい方にお聞きするしかないと思います。
(オフショア開発失敗要因3)丸投げによる管理不足
蓋を空けてみたら駄目でしたというケース。完全にコミュニケーション不足だと思います。中国の現地の会社だと、相当強く追っていかないと、管理出来ません。現地企業にオフショア外注をするのであれば、ステータス管理をどういう体制で行うかを入念に打ち合わせた方がいいと思います。
[中国側]
(オフショア開発失敗要因1)日本的な開発スタイルに慣れていない
文化等のバックグラウンドが違う場合、どうしても異なった開発スタイル・プロジェクト進捗の管理を行います。また、技術力はともかくとして、まだ、こちらのエンジニアにはプロジェクト管理という概念が浸透していなような気がします。品質のクオリティであったり、仕事場の緊張した雰囲気など、その辺が欠けているケースがあります。
(オフショア開発失敗要因2)コミュニケーション能力
日本側、中国側両方に言える事ですが、コミュニケーションをしっかり取るという文化を醸成する事です。オフショアに限らず、エンジニアの方というのは国籍を問わず、コミュニケーション能力は高くないケースが多いと思います。文化も言葉も違う、距離も離れている、時差も多少ある中では、通常考えている以上にコミュニケーションを取らないとうまくいかないと思います。
(オフショア開発失敗要因3)顧客へのサービス概念の欠如
顧客へのサービス、これで商売しているわけですが、彼らは顧客であっても、上司であっても、人対人という関係で対応します。日本の下請け会社のように、発注先の理不尽な無理を聞いたりはしません。また、レストランやお店とかでもそうなんですが、国全体として「サービス」という概念がやや弱いような気がします。
もし中国へオフショア開発をアウトソーシングする場合、日本側はどのような点に注意して、発注すると、コスト削減効果を得られるかポイントをまとめてみました。
<ポイント1>
日本との開発実績を持っていて、発注内容と技術スキルが一致、もしくは応用が可能な範囲である。
<ポイント2>
日本で働いた経験を持つ中国エンジニアや日本人が社内いて、日本の事情を理解している。
<ポイント3>
社内のエンジニアの管理体制がしっかりしている。
オフショア開発の発注を検討する場合、しっかりとした企業を選ぶのが最適です。確かに、単純な人月コストで考えると、そのような企業は割高(中国国内での比較論)かも知れません。しかし、本当にコストを削減する場合、プロジェクト全体で考える必要があると思います。
サービス体制が不十分な企業に発注した場合、日本側でエース級の人材を大量投入して、細かく管理をしていかなくてはいけなくなります。しかし、それでは本当の意味でコストが下がるかどうかは分かりません。もっとも、将来、自社でのオフショア開発拠点を作るという前提なら、有り得るかと思いますが、日本に発注するよりも管理コストが何倍にもなってしまうとしたら、コスト削減が出来るケースは、よほど大規模な開発のみになっていきます。
レポーティングであったり、顧客満足度を重視した経営を行っている企業に発注していく事が、非生産的な部分である管理コストの上昇を最小限に抑え、実際のプログラミング等、人月ベースのところでコスト削減効果を発揮出来ます。
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