ICPライセンスについて 1

 中国の場合、インターネットのサイトは全て許可制になってます。まあ、日本的に考えれば、出版物という扱いになっていると考えればオッケーです。
 その許可が与えられていますよというのを示すのが、ICP(「Internet Content Provider」)ライセンスと呼ばれるものです。
 中国でインターネットビジネスをやる為には、まず、クリアしなくてはいけなない問題です。日本語で、この辺りの情報を提供しているサイトは少ないので、思い切って、ここに書いてみることにしました。何回かに分けて書きます。
 


 中国国内向けのコンテンツサイトで、この許可証がないサイトは、基本的には、違法サイトとなります。で、このライセンス、大きくは二種類に分類されます。
 (1)非営利性(非経営性)ICPライセンス 
(2)営利性(経営性)ICPライセンス
(「増値電信業務経営許可証」というのが正式名称です)
 です。簡単に言うと、(2)は金儲けしていいよっていうライセンス。(1)は金儲けしちゃだめよっていうライセンス。
 非経営性はオンラインで申請が出来るようになっていて、中国語とITの知識がある人なら申請、取得が可能です。これは、全てのインターネットサイトに必要でして、http://www.webcrew.cn/の一番下に「上海ICP備 05033710号」と入れてあるようなものが許可番号になります。(2)のライセンスは内資比率が51%を越えている企業である事となっています。
 また、ICPというのは総称で、細かく幾つかに分かれます。例えば、
 ・ニュース配信
 ・薬品関係
 ・掲示板関係
 ・教育関係
 などです。また、実行性に疑問が残りますが、営業範囲というのがあって、全国と地域に分かれます。恐らく、領収書(発票)を発行できる場所の限定だと思いますが・・・
 
 ライセンスの具体的な例は、
 http://www.sina.com.cn/licence/telecom.html
 http://misc.myrice.com/license.html
 です。マイライスってのは、http://china.livedoor.com/にあるように、ライブドアグループです。
 で、このライセンスは二つとも、経営性ライセンスですが、多少違います。一番下に業務範囲(服務(サービス)項目)とありますが、
 (1)sina.comの場合
 教育関係以外は全てオッケー
 (2)myrice.comの場合
 ニュース、出版、教育、医療保険、薬品、医療機器、電子公告以外はオッケー
 つまり、sina.comの方が「強い」ライセンスを持っているという事です。従って、myriceはICPのライセンスは持っているけれども、ニュースの配信はしてはいけないわけです。
 もちろん、じゃ、そもそもニュースって何さ?という議論が当然のように起きるわけで、厳密な意味でのニュースというのが何なのかは明確ではありません。なので、法律が若干「ザル化」している部分もあります。そういったところが、良くも悪くも中国的なんですよね。
 続く。
 

2 thoughts on “ICPライセンスについて 1

  1. 匿名

    中国のサイトを見ていて必ず蜀ICP备XXXXXXX号ってのがあり、なんじゃらほいと思っていたのですが、この解説を読んでわかりました。
    ありがとうございます。

    Reply
  2. 真崎

    コメントありがとうございます。
    お役に立ちましたら幸いです。

    Reply

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