タイトル:告白
作家:チャールズ・R・ジェンキンス
発行年:2006
出版社:角川書店
読み終えた日:2006/10/19
スター:★★★★☆
この本を手にしたのは空港の本屋。飛行機の待ち時間中に偶然手にしました。こういう本があるというのは知っていたのですが、本自体に対して興味なく、平積みになっていたので目についた、というわけです。
やはり、非常にミーハーな、人の辛い人生をちょっと覗いて見たかったというのもあります。
と、全く期待していない本だったのですが、読んでみて、久々にポジティブサプライズを受けました。本当に期待以上でした。
とかく、このような類の本は単なる回顧録になり、如何に大変だったかただ只管に情景描写に陥る事が多いです。つまり、単なる記録物に過ぎない、社会科の教科書のような作品が多いと思っています。しかし、この本では、ジェンキンスさんの人がらがよく出ており、回顧録の中に、気持ちをポジティブに生きていった、現在も未来も過去も含めて自分を客観的に捕らえつつも、常にポジティブに(時に家族に支えながら)生きているという事が含まれて描かれています。そこが非常に感銘を受けた点です。
単なる北朝鮮にまつわる悲しいストーリとか、北朝鮮が悪だとかそういった暴露本の位置づけでは勿体無い、素晴らしいAutobiographyだと思います。
BTW、他に拉致されている方がまだいらっしゃるようなので、日本政府に頑張ってもらいたいですね。