今回の台風19号においては、各地で大きな被害が見られました。まずは、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。私共は農作物の被害はありましたが、従業員を始め、家族の被害や住んでいる家屋への被害は免れました。各地において、住居や怪我をされた方、亡くなられた方が多数おられた事は本当に残念でなりません。自分の事だけではなく、復興に向けて、力を合わせて頑張っていかなくてはいけないと思います。
さて、どんぐり農園が受けた被害ですが、路地栽培のレタスとズッキーニが被害を受けましたが、ハウスへの被害はありませんでした。今回の台風が「雨台風」という事で、風の強さはそれほどでは無かったものの、長時間に渡って雨が降り続いた事で、低い位置にある田んぼ(畑)における浸水(水没)被害、及び、流れてきた稲わらによる被害が大きくなりました。
12日の早朝(夜)から振り始めた雨の影響で、朝10時頃には上記のように完全に水没したり、冠水している状況となっておりました。
12日の19時頃には雨が止み始めたのですが、排水路に藁が詰まって水が流れない影響もあり、翌13日午前6時の段階でも水がかなり残っている状況でした。この為、レタスの冠水が24時間程度続いた状況となりました。また、ズッキーニには冠水の影響に加え、かなりの藁が積み重なり、ほとんどが折れてしまい、残念ながら、このあとの収穫は不可能となる見込です。先日、収穫が始まったばかりだったので、とても残念です。
水がはけた直後、下記の写真の通り、かなり泥でやられているのですが、レタスそのものは無事なように見えたので、ほっとしていたのですが・・・。
当日の夕方には様子が一変しました。農協と話した限りでは、水没で根っこの働きが弱っている状態で、気温が30度近くまで上がり、激しい蒸散が起きた影響ではないかとの事です。塩害の被害はないのではないかとの事でした。これまで、何度か水没したのですが、こうなったのは初めてで、かなりのショックでした。
台風直前10月11日段階では、収穫を間近に控えたいい感じのレタスでした・・・が、わずか2日で様変わり。
ちなみに、高い位置にある下のような田んぼのレタスは非常に元気で、何事も無かったような感じでした。他の方の田んぼも見て回りましたが、水没していないレタスにはほとんど被害がない一方で、水没した田んぼは非常に悲惨な状態になっていました。今回は田んぼの良し悪しが被害の程度に影響しており、良い田んぼが少ない当園のような新規就農者に、改めて厳しい現実を突きつけられたなと思っています。
幸いな事に、10月以降の定植分レタスについては、2日後ぐらいからやや持ち直し始め、5−6日後には色合いも良くなってきました。9月下旬定植分が持ち直してくれると被害が少なく済み、助かるのですが・・・。一方、藁の下敷きになったズッキーニについては、藁をどけて数日間様子を見ましたが、残念ながら、復活する気配はありません。
◯2019年10月12日台風19号によるどんぐり農園の被害総額
項目 | 内容 |
---|---|
面積 | レタス:2.3反 ズッキーニ:0.6反 |
被害額 | レタス:110万円、ズッキーニ:40万円 |
被害要因 | 水没、及び、流れてきた藁 |
今回の台風で農作物が高騰するのではないかとの報道が出ていますが、被害が出ていない田んぼも多く見られますので、直近ではそれほどではないのではないかと思います。しかしながら、台風後も雨が多く、定植作業が順調に進みにくい状況になっている為、12月中旬から月末に掛けてはクリスマス需要と相まって、品薄になる可能性は高いのではないかと思います。