七面山(敬慎院)日帰り登山 2015年3月26日

七面山(標高1,989m)は登山口付近の町から他の山との違いを感じる山だ。身延山久遠寺の西方裏鬼門に位置し、奥の院がある信仰の山として知られている。実際に登ってみると、登詣している多くの参拝者の方とすれ違う。久遠寺のように観光客は多くないが、参拝者の為のタクシーや旅館などがあり、慎ましくも賑やかさがある。

敬慎院

参拝者が目指す敬慎院は山頂近くの標高1700m付近にあるのだが、山中における寺院の規模としては、国内ではかなり大きな方に分類されるだろう。私個人としては、想像してものよりも壮大で圧倒された。敬慎院は宿坊があり、多くの方が泊まられている。今回は宿泊しなかったが、私もいつか泊まってみたいと思っている。


さて、この信仰の山である七面山への登山であるが、大別して3ルート存在する。
(A1)表参道を通るルート
(A2)北参道を通るルート
(B) 安倍峠から八紘嶺、喜望峰を縦走するルート

Aが山梨県側からで、Bが静岡県側からとなる。今回ははじめて登るので、信仰の山の雰囲気がある参道ルートを選んだ。参道には表と北の2ルートがあり、殆どの参拝者は表参道を使うのだが、登山としては、北側の方が長さがあって楽しめるかも知れない。

そういう思いで、今回は、以下のルートを設定。

[登山ルートと時間]

登山日:2015年3月26日(9時間40分)
北参道(7:20)⇒敬慎院(12:30-12:50)⇒七面山山頂(13:40-13:50)⇒敬慎院(14:20-14:30)⇒表参道(17:00)
登山マップはこちらを参考に↓

http://www.kuonji.jp/shichimenzan/shichi-tokei.htm

駐車場まではこちら↓

https://www.google.com/maps/d/u/0/embed?mid=zxVwSO4v_o5g.kT4uy4DqP5xs

北参道の登山口と表参道の登山口の間は車道であるが、歩くと小一時間は要するので、予め車で表参道の登山口に自転車を運び、車は北参道の駐車場に置いておく事にした。自転車であれば、10分ほどで移動出来る。

七面山 北参道

七面山 北参道

[アイスバーンの北参道から趣の敬慎院]

北参道はやや急登となり、体力を要するが、比較的整備された道で歩きやすい。但し、時期になると山ヒルが出るようで、途中に山ヒル避けの塩水が置かれている。こういう心遣いが信仰の山という趣を感じる。今回登山した3月下旬だと、標高の上がる後半(1500m付近から)はアイスバーンとなっており、アイゼンが必要だったが、6本の軽アイゼンで十分だった。軽アイゼンも意外と使える。
敬慎院に到着すると、こちらの姿に気づいたお坊さんが奥から出てきて話しかけて頂いた上、お参りが終わるまでずっと見守ってくれた。宿泊客が多いからだろうとは思うが、参拝中に見られていると、心持ち、恐縮至極という感じだ。

七面山 山頂

七面山 山頂

[敬慎院から山頂]

北参道から敬慎院に入り、そこを抜けて少し登ると、雪道となり、アイゼンはあってもなくても、どちらでもいい状況となるが、外すのも面倒なので、そのまま着けて歩く。雪道とは言え、足あとはしっかりしており、道に迷うことはない。ここからは、概ね、緩やかな道なのだが、時折、急な登りが出てきたり、若干分かりにくいところもあるので、油断は禁物だ。
敬慎院からほどなく、30―40分程度で、山頂に着く。展望はないが、雪に覆われた時期であれば、静寂な森の中という事で、心が穏やかになれる場所だ。

七面山 展望所

七面山 展望所

[表参道からの下山]

山頂から、一旦、敬慎院に戻り、下山は表参道を使った。敬慎院を出てすぐのところに敬慎院の表門があり、そこからの眺めは素晴らしく、今回の山行の中で最も良い展望所となっている。
展望所から下っていくと北参道同様、しばらくは、アイスバーンが続く。緩やかな道ではあるが、アイゼン無しでは降るのは難しい。北参道よりも登山者が多く、午後と言えど、宿泊予定と思われる人が多く登ってくる。
表参道の方は北参道よりもかなり歩きやすくなっており、途中に坊が多い為か、参拝路としての雰囲気が強く、初めて七面山に登るなら、登山としての面白みは少ないかも知れないが、表参道を歩く事をおすすめしたい。この時期は坊は殆ど開いていないが、時期が来れば、多くの坊が開き、賑やかな登山を楽しめるだろう。
下山すると、赤沢宿に続く道と角瀬へのルートに分かれる。いずれも整備された車道なのだが、今回は、角瀬へ直行で戻ってしまったが、一度、身延山から赤沢宿に泊まり、七面山へと続く参拝ルートをゆっくり歩いてみたいものだ。

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