78万円という超低価格の農薬散布ドローンFlights-agが発売された。これまで100万円から250万円ぐらいだったので、この価格はかなりのインパクトだ。どんぐり農園では、ドローンの導入はしておらず、農薬散布はハツタ社の動噴を使っているが、値段としては同じぐらいで、路地野菜で使用出来るなら導入を検討出来る価格帯だと思う。ちなみに、かなりの数の農薬散布ドローンが発売されていて、下記のように農林水産省がリスト化している。
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1.2. 段取り八分の「アグリプロジェクトマネジメント」
第一章 今こそ求められるアグリプロジェクトマネジメント
< <前節 1.1. なぜ、新規参入者がうまくいかないのか
私が農業を始めるかどうかを検討している際、静岡県の支援プログラムなどを利用して、県内の優良な農家を回って見学させてもらった事がある。また、大勢で見学するだけではなく、見学後に別途連絡させて頂き、個別に訪問し、直接詳しい話しを聞かせて頂いた事もある。幾人かの優良な農家の話を聞かせて頂いているうちに、以下2つの重要な共通点がある事に気がついた。
【共通点1】農作業日記を書いている
【共通点2】段取りが頭にしっかり入っている
1.1. なぜ、新規参入者がうまくいかないのか
第一章 今こそ求められるアグリプロジェクトマネジメント
< <前節 0.はじめに:アグリプロジェクトマネジメントのすゝめ
新規就農者がうまくいっているケースは多くなく、就農実態調査の所得状況の調査(図1-1)によると、新規参入者で300万円以上の所得を得ているのは、わずか9.8%にとどまっている。特に、露地野菜の所得が最も低く、平均で72万円、300万円以上はたったの5%となっており、かなり厳しい状況であるという事が分かっている。
図1-1 出典:新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成 28 年度-
0.はじめに:アグリプロジェクトマネジメントのすゝめ
第一章 今こそ求められるアグリプロジェクトマネジメント
静岡で新規就農して5年、研修を含めると6年が経過した。そろそろ、ITを活用した農業の話を書いていこうかなと思っている。現在、生産している作物はレタスを中心として、トルコキキョウ、キャベツ、ズッキーニ、とうもろこし、水稲という複合経営を行っており、売上としては2000万円を越えてきた辺りだ。
農業機械やハウスなどへの先行投資がある為、利益(所得)としては300万円程度と利益率としては良い数字ではなく、少し無理して規模感を出すようにしているので、経営的な評価は分かれるところではあるだろう。しかし、「新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成 28 年度-(以下、「就農実態調査」)」によると、新規就農者(就農10年以内)の75.5%が「生計が成り立っていない」という調査結果があるように、ゼロから新規就農して経営を乗り立たせる事が非常に難しいという事実を考慮すれば、5年にしてはそこそこの規模感で、複合経営の土台が出来始めているという点は多少評価してもいいのではないかと思う。
もちろん、頑張って仕事をしているという事ではあるのだが、それだけではなく、ITを活用して生産の最適化を行っている事が大きく寄与している。これはITの業界で使われるプロジェクト管理という概念を導入している事に加え、研修から含めて6年間、毎日、各種データを蓄積、分析しつづけてきた事で、農作業などに関して様々なナレッジ化が進みつつあり、精度を高めたプロジェクト管理が出来初めてきている。
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