タイトル:青葉繁れる
作家:井上ひさし
発行年:1974
出版社:文芸春秋
読み終えた日:2007/03/20
スター:★★★☆☆
敗戦間もない時代を背景に、少し間が抜けつつも微笑ましく、古くよき日本男児らしい高校生達の青春物語。
漫画みたいな展開、登場実物なので、非常に読みやすい本ですので、中学生~大学生ぐらいまでが読むのに適した本かなと思います。もちろん、大人が読んでも面白い。
時代背景の為か、高校男児という特異な年代の男の子達が主人公となっている為か、純粋さはあるものの、やや暴力的な側面が小説に出てきます。そして、それをある程度正当化というか、賞賛する雰囲気もあったりします。こういうノリは女性が見たらどう思うのかな?と思いつつも、個人的には、賞賛です。正直、男の子はこのぐらいなくちゃなと思います。
ちょろ松などのあだ名で呼ばれる先生達も暖かい。私は昨今の教育現場がどうなっているかは知りませんが、こういう暖かさがある学校、先生達はいいなと思いました。若年層の事件が新聞に色々と出る今の時代こそ、こういう本を教育現場で取り扱ってもらいたいと思います。
ストリップ劇場で脚本を書きつつ、ひょっこりひょうたん島を書いていた井上ひさしの不思議な魅力をたっぷり堪能できる作品だと思います。