大学生の頃、新渡戸稲造さんが書いた「武士道」という本を読みまして、心に残った部分があります。
西洋の騎士道と日本の武士道の違いは何か?という所で、こんなシチュエーションを例にあげています(本が手元にないので、若干、うろ覚え、かつ自分の解釈も入ってます)。
「自分は傘を持っていて、友人が傘を持っていない状況」
このような時、どう行動するか?
騎士道の場合、傘を相手に譲り、自分が濡れる事を選択します。これが、クイーンから命(メイ)を授かった時に、ナイトが「一命に代えましても」というフレーズが生まれる事の背景になったのだと思います。
武士道の場合、傘を差さず、二人とも濡れる事を選択します。何故かというと、傘を差さずに共に濡れる事で、相手と気持ちを共有する事を考えるからです。
日本人以外には分かりづらいかも知れませんが(最近の若い子も・・・)、そういう美意識が根底にあるので、日本のサービス品質、もの作りに対する拘りなどに繋がっていくのだと思います。
先週の金曜日、とある方とお会いし、「数学」と「芸術」は本質的には同じなのでしょうか?というような話になった時、藤原正彦さんが書かれた「国家の品格」という本を薦められました。
昔、落合信彦さんの本に嵌って、よく読んだ事があったのですが、ちょっと食傷気味になってこの手の本からは離れていました。自分の整理の中では、「国家の品格」という本は、落合信彦さんの本と同じ系列であって、少し右な傾向がある「啓発本」として捉えています。
非常に時代を捉えた内容となっており、間違いなく良書だと思いますが、この本を読まれた方で、新渡戸稲造さんの武士道を読まれていない方がいらっしゃれば、そちらも合わせて読まれた方がいいかと思います。本屋には一緒に平積みされてますので(この辺り、日本はクロスマーケティングがしっかりしてます)。
この本が諭す「卑怯を教えよ」というところについては、夏目漱石の「こころ」でもいいですし、城山三郎さんの「粗にして野だが卑ではない」でもよかったりするでしょう(ちょっと違うかな?)。
この本で最も気に入ったところは「外国語よりも読書を」というところです。本質を捉える目が読書から養われるというのは全くの同感です。
そういう意味では、個人的には「志賀直哉」が最高にいいと思っています。短く、力強い芸術的な文体。日本独自ともいえる、私小説の第一人者。私小説というのは、自身の経験を犠牲にして、小説化を行う、自分自身を傷つけるスタイルの小説です。
この本は良い本だと思いますが、本の中で幾つか賛同出来ない点がありました。その中で、最も自分の考えと違うと思ったのが、「情緒力は蓄積しない」という点。世代を超えて、情緒力を積み上げる事は出来ない、一世代のみだという主張です。
個人的には、積みあがると思っています。多くの小説家、特に私小説家が自己犠牲の上で本を書いています。それは、芸術家としての、本能から来るものかも知れませんが、それ以上に、人類に様々な蓄積を残そうという意思だと思っています。
あともう一つ、外国語。外国語はやった方がいいですね。表面的な会話が出来るだけの語学力ではなくて、その国の文学をその国の言語で読む為に。翻訳された時点で、言葉というのはある程度「死ぬ」と思っています。
「Into Thin Air (Jon Krakauer著) 」という本があるんですが、英語が非常に難しくて、読むのにかなりの時間を要しました。確か、6年ぐらい前、ネパールを旅行中に、カトマンズの本屋で買って、旅すがら読み、深く心に刻まれた記憶があります。もし、翻訳された本を読んだとしたらどうだったのだろうと思います。その人がぎりぎりの中で体験した内容を、体験した事がない人が表面的に翻訳しても、絶対に伝わらないだろうなと思います。
今、個人的には「三国志」というのを原書で読みたいと思っています。以前、中国人の友人にそういう話をしたら、なんと、頂いてしまいました。が、頂いたのはいいものの、まだ手がついていません。情けない事に本棚に眠りっぱなしです。語学力が向上したら、一番最初に、読もうと思っている本ですが・・・
ちょっと蛇足。外部リンク、スパムなどを使った検索エンジン対策が隆盛の時代で、お客様とそういう話をします。マーケティング上、SEO/SEMといのは非常に大事なのですが、その前に、本質的な部分、中身、コンテンツを大事にするようにした方がいいなと思っています。人もビジネスも中身を良くしてからプロモーションをした方がいいと思うわけですよ。
#と言いつつ、検索エンジン対策してますけどね・・・
「自分は傘を持っていて、友人が傘を持っていない状況」
このような時、どう行動するか?
この問題を見たときに思わず中国人だったらどうする?と考えてみました。
「面子」と「利益」は中国人にとって両方欠かせないですが、
・自分の面子を保つために友人を濡らすにはいかない、
・しかし自分自身の利益もあって辛い思いはしたくない
多分同じ傘の下に入って、まず友人を家まで送るという合理的なやり方取る中国人が多いでしょう。
信仰を失った今時の中国のあちこちでは、こういう変な合理的な現象が見られます。
話進んだら、昔大学教授との対談を思い出しました。日本で100台の車が止めれる駐車場、中国では何台止められますか?韓国では何台止められますか?と先生が聞いてきました。
答えは
・中国は2台(出口と入り口だけ)
・韓国は101台(なんとしても101台詰め込みたい)
中国人は他人の利便性を考えずに自分中心に行動する、韓国はただ日本には負けたくない思いで..
正解した君はなかな優秀だねと先生が褒めてくれた時は、中国人としては恥ずかしい思いをしました。
本当にアジアの皆さん仲良くなってほしいですね、
お互いの長所を生かして、短所を補う。
seo/semについては
同僚に送ったメールがあります
一部コピーします。
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何だかSeoから人生が感じます。
邪道に走りたら、いつか転ぶ
例えリードしていても
そもそもseo考える前に
コンテンツ中身をもっと考えるべき?!
中国語
「好酒不怕巷子深」
意味は
良いお酒は例え外れたところにいても、客を呼べる。
もちろん客を通る「道」をつくるのは不可欠。
もっと大事なのは良い「お酒」造ることを忘れてはいけない。
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イマドキの日本人も信仰を失っているので、あまり、いい回答は出ないと思います。世界的にモラルハザードな時代かと。
駐車場の話、面白いですね。韓国には行った事がないので分からないですが、中国はそうかも知れないなって思いました。
SEO対策は非常に重要ですが、それだけだと、まねされたら終わりかなと思ってます。