知人H氏の「結構、面白いらしいですよ」の言葉につられて、先日、見てみた。確かに面白かった。お勧め出来る。
公式サイト
http://www.cloverfieldmovie.com/
さて、この映画を分析。
怪獣がNYを襲うという設定で、いわゆる、パニック映画。映像手法としては、The Blair Witch Project(以下、ブレア)で使われたハンディカメラによるリアルドキュメンタリーを装う。ブレアとの違いは、メジャー系という事もあり、ハンディカメラを装いつつも、非常に丁寧に撮ってある点。ブレアは映像酔いした記憶がある。でも、あっちの方がリアルだった。そして、怖かった。
ちなみに、このカバーフィールドのあらすじですが、冒頭(広告バージョンでも出てくるが)で自由の女神の頭部が怪獣に破壊され、主人公の近くに飛んでくる。で、その後、主人公(男)が逃げる。が、中盤差し掛かる辺りで、離れ離れになった彼女から携帯電話に連絡が掛かってくる。どうやら動けない。そこで、主人公は危険を犯して、助けにいくというストーリです。
で、思ったわけですが、
自由の女神=アメリカ
モンスター=テロリスト
主人公が彼女を救助=正義
という構図で、結局、the 9/11 WTC collapseなわけですよ。またかよって感じ。こういうナショナリズム高揚系の映画というのはアメリカでは非常に多く、戦争モノでもよく使われる。
ただ、これまでのアメリカ映画では主人公が悪に立ち向かうというストレートなものが多かったのですが、この映画では主人公は悪に立ち向かわないし、相手も倒さない。災難に巻き込まれつつも、違う軸で「アメリカの正義」というのを出している。
この映画の本来のストーリとしては、自由の女神もモンスターも必要ない。しかし、登場してくる。これは、今のアメリカという国が「大きな悪(敵)」の影を感じつつも、正体がはっきりしない、何に立ち向かっているのか分からなくなっているという事のメタファーなのではないかと思った。イラクとかも、アメリカとして整理出来ていないのではないか。イラク派兵は「正義」と言いつつも、いったい、「悪」は誰なんだ?なぜ、アメリカの兵隊さんはイラクで命を落とさなくてはいけないのか?という問題に回答がない状況を凝縮しているようなところを感じた。
とは言え、普通に楽しめる面白い映画なので、一度、見てみるとよいかも。え、なんで、ここでモンスター?っていう唐突感とスピード感が割りと笑える。
って、結局、成都に行きましたか?
行ってないっす。アウトレットと佘山に行きました。