独立系オフショア開発会社の生きる道

 日本のシステム開発会社の子会社として、設立された会社がある中で、中国で単独で経営するオフショア開発会社が生き残る為にはどうするべきか?
 間違いなく、独立系オフショア開発会社の方がスタートは不利です。しかしながら、独立系には独立系にしかないメリットが存在する。
 【メリット】

 (独立系オフショア)中立的な立場である事で、クライアントの幅を広げる事が可能な上、資本に捉われず、平等な案件処理が可能。
 (非独立系オフショア)発注窓口が一箇所に限定されてくる事で、日本側との連携がよく、開発効率が上がる

 【デメリット】

 (独立系オフショア)新規クライアントからの一つ目の案件が非常に難しい。
 (非独立系オフショア)第三者クライアントからの受託が非常に難しい。


 正直、独立系オフショア開発会社は営業面が非常に難しい上、一つ目の案件は、顧客側も弊社側も作業のコツ、コミュニケーション方法のコツが掴めず、非常に苦しいプロジェクトになるケースが想定される
 オフショア開発は大規模でこそ、効果が出ると唱える人もいらっしゃる。
 それはそれで間違っておらず「真」と言える。
 しかしながら、小規模案件であっても、継続する事で効率は上がる。
 オフショアの失敗要因は複雑であり、一口では言えないが、大きく分けると、二つに分類出来ると思われる。
 1)コミュニケーション上の問題
 2)プロジェクト管理上の問題
 1)に関して言えば「慣れ」が非常に重要である。仕様書をベースにし、案件を詰めていく中で、互いに適切なコミュニケーションを取らないと、非常にストレスフルな結果を生む。また、信頼関係が構築される前においては、一つ一つのメール、文言にすら気を遣って書いていく必要がある。
 文字中心のコミュニケーションは文章力と読解力が非常に重要である。しかしながら、現在の日本は非文字文化となっており、多くの場合、双方に欠落部分が存在する事が多いし、システム開発特有のターミノロジーに苦戦する事もある。
 ここを乗り越える為には、一人一人の経験と基本的ではない基礎的な語学力を底上げする必要がある上、暗黙知の了解も必要になる。
 2)に関しては、完全に、日本側・中国側双方におけるプロジェクトマネージャーの能力に依存する。オフショア開発においては、中国側の下請けとしての技術力、日本側の仕様まとめ能力が非常に重要である事は一般に言われる事だが、それらに匹敵する要因として、管理能力というのが上げられる。
 会社全体としての戦略的なスコープでの管理、プロジェクト単位における戦術的なスコープでの管理、加えて、開発スタッフレベルでの管理。これらを、日中双方が効率的に統合し、互いの動きを全体的にコントロールしていく。
 ここで、問題になるのが、独立系の場合である。非独立系の場合、従属関係が明確である上、スタッフの交流もしっかりしており、一元的な管理が可能であるケースが多い。しかしながら、独立系の場合、そこまで密接な関係を構築するまでに、時間を要する。
 やはり、少なくとも二つ程度の案件をこなし、互いの実力を双方が認め合わない限り、距離感は縮まらない。また、イージーな案件をこなしているうちも問題は表面化しない。(色々な意味で)難度の高い案件を協力して進める事で、問題点、更なる効率化への追求が始まる。
 したがって、比較的単発案件になりがちな、クライアントからの直接案件でご満足頂く結果を出すというのは、中国側の実力が試される形になる。
 独立系オフショア開発会社に発注する最大のメリットは、小・中規模の会社でも利用出来るという点。
 オフショア開発会社を設立するには、それなりの資本と労力が必要となる。コストメリットを出す為には、ある一定の規模まで会社をもっていく必要がある上、間違いなく優秀な人材の確保に苦戦する。
 今後、日本国内の大手SIがオフショアを推進し、コストを下げていく事が予想されており、国内の小規模SI、ソフトウェアハウスはどのようにして生き残るかが一つ重要な課題である。
 技術力を伸ばしていく等、キラリと光っていく事も一つのソリューションだと思われる。弊社のようなオフショア開発会社としては、日本国内の会社様に対し、弊社独自のスタイルでのオフショア開発というソリューションをご提供させて頂く事が一つの使命と考えております。

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