2005年の1月に上海に渡航してから、二年が経過しました。オフショア開発の会社の設立から自力で進めて来た結果、通常では体験出来ない経験をし、ノウハウを積み上げる事が出来てきたと思っています。
本やコンサルタントからでは得る事が出来ない、中国の現場でしか得られないノウハウというのがあるものだなとつくづく思います。当初想定していたシナリオと違う事も多々ある一方で、仮定していた事実を裏付けられた事も多々あります。
NTTドコモのJohnさんと昨年末から毎月開催している勉強会も軌道に乗ってきまして、現場の経験とは違ったところからの知識を得、体系化、及び、異業種からのノウハウの注入も出来そうだなと思っています。
先週は第六回目の勉強会でした。人材会社で総経理(社長)を務められている小園さんからのお話を拝聴しました。
非常に為になるお話が山盛りでしたが、小職として重要だと思ったテーマは以下の通りです。
「人材獲得の困難性を前提とした経営ノウハウの構築」
データなどが証明するように、人材獲得の困難性は
(1)日系(外国)企業は知名度などの点において不利である
(2)語学力と専門力のある人材というのはマーケットにおいて極少数である
(3)企業の人材需要過多による人材マーケットの高騰
という事に起因すると思います。
弊社のようなシステム開発(オフショア、非オフショア)、ホームページ制作を行う企業に限らず、全業種において聞かれる話として「中国の人材は・・・」というのがあります。
いわゆる中国人材のマイナス面を強調したステレオタイプ化が行われています。これはある角度で見た場合、真実であるかも知れませんが、別の角度で見た場合、そうではないかも知れません。
日本でもそうですが、優秀な人材をローコストで獲得する事は非常に困難です。これが海外となると、より一層困難性が増してきます。中国人に優秀な人がいないというわけではなく、優秀な人(国籍限らず)を獲得するのは非常に難しいという事です。
そういう前提を認めた上で、対応方法を見つけ出していかなくては行けません。想定されるオプションとしては、
(1)日本で実績のある人を採用する
(2)人材育成に重点を入れる
(3)優秀ではないかも知れないスタッフを組織力でカバーする
(4)優秀な人に入社してもらえるような魅力的な会社にする
かなと思います。最初の一年目は(1)を最重要課題としてやっていました。二年目に(2)と(3)をはじめました。二年目の後半辺りから(4)を強く意識し始めました。
今年、ラオバンとしての私が、最もチカラを入れて行きたいのは(4)です。もちろん、(1)~(3)も行っていきますが、ある程度の下地(企業風土)が出来てきたので、会社のマネージャ層がやっていってくれると思っています。