オフショア開発でのクライアントとの情報共有の仕方ですが、基本的には日本で行っているのと変わりません。日本で行う場合でも、オンサイトによる開発でない限りは、大抵の場合、何かしらの情報共有ツールを使っていると思います。
オフショアでの新規開発の場合、共有のターゲットとなる情報は、
A)プログラム
B)データベース
C)基本仕様
D)変更仕様
E)バグ管理
辺りかなと思います。保守になってくるともう少し変わってきますが、とりあえず、新規開発のケースのみです。
1)CVS
2)Issue Tracker(Mantis)
3)MSNメッセンジャー
4)Skype
1)CVS(Concurrent Versions System)
URL:http://www.gnu.org/software/cvs/
ターゲット:A、B
開発をオフショアのみでやり切る場合は、それ程、必要ではないかも知れませんが、先方に中身を逐一確認してもらいたい場合や、共同作業の場合は必須です。そもそも、オフショア開発が騒がれる前からFSF等では、このツールを使って分散開発しているわけですので、ツールの完成度合いは高いです。
弊社の場合、データベースが開発用、テスト用、本番用など、複数分かれており、同期が面倒なんですが、SQLを手動で投げて対応しています。その差分記録として、CVSを使ったりしてます。結構、手間なので、今後は自動化ツールとか必要かも知れないですね。
2)Issue Tracker(Mantis)
URL:http://www.mantisbt.org/
ターゲット:C、D、E
元々の仕様書は当然、メールだったり、共有ディレクトリに置くことで共有されるわけですが、徐々に変更の依頼が入ってきます。で、毎回、エクセルをやり取りしていくのも悪くはないのですが、記録に残しやすかったり、情報の共有が容易だったりするので、掲示板に機能が付加されたIssue Trackerを使うと便利です。
これでなくてはダメだという程のものはないと思いますが、弊社ではMantisを使ってます。こちらのツールではバグのログ管理にも強い力を発揮します。Outlook等ほど、機能は充実してませんが、インターネット越しにやるには便利なツールだと思います。タダですし。
3)MSNメッセンジャー
4)Skype
MSNメッセンジャーでチャット、話す場合、Skypeを使ってます。更に、SkypeOUTを使えば、日本への電話は2〜3円/分と、NTTの市内通話並みです。こんなものが出てくると、NTTは大丈夫か心配になるわけですが、時代の流れという事で。
ただ、ちょっと音が悪いのと、ネットワークコンディションが悪いと使えなかったりします。音が悪いと言うのは許せる範囲ですし、思ったよりいい音質だと思いますが、ネットワークの不具合で通話不能となるのは、仕事で使うには多少不安を感じます。その場合、通常の電話機から使えるIP電話を使えばいいんですけどね。
というわけで、オフショア開発と言えど、殆ど国内の開発と同じ事をします。技術的にはネットワーク的なコンディション、技術外の事について言えば、オフラインでのミーティングが出来ないという事が問題になるぐらいだと思います。
ただ、慣れてくるとオフラインのミーティングより、オンラインでの情報共有の方が楽な場合もしばしば出てきます。もちろん、ITリテラシーがある程度、高いという事が一つ重要になってくるので、そこの点も無視は出来ないと思います。