上海には動物園が二つあります。
一つは、檻に入った動物が見られる普通の動物園、もう一つが野生動物園。
日本でいうサファリパークみたいなもんですね。
野生動物園にはバスのコースと、一般歩行コースがあります。
(途中、少しだけ残酷な表現があるので、嫌な人は読まないで下さい)
歩行コースではパンダとか、金糸候とか、白虎とかが見れます。
結構、珍しいのも多いですけど、普通といえば、普通。
一味違うのがバスコース。さすが中国って感じです。
その事件はトラとライオンゾーンでおこります。
このゾーンの前のセーフティゾーンまで来ると、運転手が「生きたニワトリ」を一匹50元で買わないかというアナウンスが始まります。
えさですよ、えさ。ライオンさんのえさに丸ごと一匹のニワトリ。
近くの乗客とカンパしたり、自分で買ったりします。
大抵、紐付きなので、首に紐をつけて窓からぶら下げます。
が、今日は紐がついてないのを渡され、片方の羽を持って、窓から吊るせとの指示。
アブねー、絶対、危ないよ。
で、バスがゾーンに入ると、大量のライオンさんがえさに向かって虎視眈々と近づいてきます。
バスもちょっとだけ早いスピードにして、一度に取られないようにしたりしますし、お客さんがなるべく楽しめるように調整してくれます。
当然、羽を持って、窓から吊るしているわけですから、鳥は自分のちょうど目の前。
何となく察知して、観念したのか、暴れる事もなく、目をつぶって、ぐったりしてます。
自分で吊るしておきながら、なんですが、ちょっと可愛そうです。
でも、自然の摂理と言えば、自然の摂理。
タイミングを合わせて、軽くジャンプし、大きい口が、目の前にどーんときたかと思うと、一撃でニワトリをさらって行きます。
でかいですよ、彼らの口は。牙も凄い!
もし、手がかまれたら、あっという間に手首から先が無くってしまうでしょうね。
怖えーったりゃありゃしないって話ですよ。
子供達は軽い恐怖を覚える一方、中国人の大人達は興奮の坩堝。
バスは様々な絶叫、例えようのない高揚感に包まれていきます。
この動物園に行く途中、滅多に渋滞しない田舎道が渋滞してました。
原因は、事故。
トラックにバンが後ろから衝突。
まあ、よくある話。
ちょうど、事故直後だったみたいで、血まみれの運転手がうなだれてました。
生きているのかどうなのか、分からなかったんですが、相当、血が出てました。
あれだけの状態だと、まず、助からないでしょうね・・・
こういう「生と死」を日常から体験させられる中国に居ると、色々と強くなるなーと思います。