先月(2011年5月上旬)に上場した中国版Facebookと名高い人人網(RenRen)の株の下落が止まらない。5/4の上場時は14US$であったのが、6/24(金)終値で6.23US$まで下落。わずか2ヶ月で実に50%以上の下落である。
ロイターの関連記事(英語):
http://www.reuters.com/article/2011/06/26/us-markets-stocks-ipos-idUSTRE75O02S20110626
人人網は2005年12月に校内網(XiaoNeiWang)としてスタート。大学生の実名SNSという切り口だった。何度かファンドレイズを実行し、2008年にソフトバンクが14%のシェアを保有、筆頭株主となる。この時、校内網が日本企業に中国の大学生の個人情報を流すのではないかという噂が広がってしまう。噂に関しては正式に否定したが、2009年後半の人人網への名称変更はこれが起因したという話もある。
上場2ヶ月弱での50%を越す下落であるが、ロイターの記事によると、不正会計疑惑が高まっている事の関連性が指摘されている。これに対し、人人網側のスポークスウーマンは人人網がコーポレートガバナンス、及び、透明性を重視していると述べつつ、会計上のスキャンダルは人人網固有の問題ではなく、多くの企業でも株の下落に影響を与えている事だと反論している。
ちなみに、中国ECサイトであるDangDang(当当网)、動画サイトのYouku(优酷网)の暴落も結構なもので、中国株全体に疑惑の目が向けられているようだ。
しかし、このような中国のネット企業に対する疑惑は今に始まった話ではないし、上場2ヶ月でそのような理由で下落するとしたら、米国市場のIPO審査とは一体何なんだという気がする。また、同ロイターの記事によると、人人網の上場に関しては、モルガンスタンレー、ドイツバンク、クレディスイスが人人網のIPOを主導したとある。
欧米系の金融機関が米国への上場を主導し、中国ネット企業を上場させる一方で、米国の市場では疑惑を向けられれる。IPOを活性化したい、もしくは、様々な思惑があり、米国市場は中国のネット企業を上場させざるを得ない環境にあるのだろうと思うが、米国マーケットは大きなジレンマを抱えているように思われる。
ロイターの関連記事(英語):
http://www.reuters.com/article/2011/06/26/us-markets-stocks-ipos-idUSTRE75O02S20110626
ちなみにであるが、中国側の見解(報道)は、百度の株価が、現在においてもIPO値の300%を維持している点を例示しつつ、マーケットは、中国株に対して百度株を連想し、潜在的な成長を奥底に見ていると指摘している。また、主席監査員のDerek Palaschuk(Longtop Financial TechnologiesのCFO)がIPO直前に離職した事実がありながらも、一部の投資家は潜在的な成長を期待していると反論している(大筋はロイター辺りの記事の内容と大差ない感じ)。
腾讯科技の関連記事(中国語):
http://finance.ifeng.com/usstock/huagu/20110626/4194192.shtml
一方その頃、人人网の董事長兼CEOの陳一舟さんは人人网の利益の2倍に相当する額を糯米网に突っ込んだと発表。んー、恐ろしい突っ込み。糯米网はGroupon(团购)系のサービスを展開するサイト。競争が激化しているという事で、大きな投資が必要なのだそうだ。
糯米網の1Qの売上は90万US$で、支出は460万US$なので、1Qだけで370万US$の赤字である。人人网の子会社なので、数値発表をそのまま見てもしょうがないがすげぇなと思う。これは、株価対策の為の発表なのかな・・・?だとすると、来年か今年の後半ぐらいに糯米网がグーンと伸びる絵か、または、売却される絵が展開されるのだろうか。
ちなみに、中国のGroupon市場は競争が激化しており、淘宝なども参入している。糯米も、初期段階において、看板広告などをかなりがんばっていたようだが、直近では、拉手網(lashou)、团宝(Tuanbao/Groupon子会社)が強いというイメージになってきている。ちなみに、まとめサイト的な讯购網(http://tuangou.xungou.com/)も出てきている。
鳳凰の関連記事(中国語):
http://finance.ifeng.com/usstock/huagu/20110626/4194192.shtml
それにしてもであるが、こういった動きが米中間で起きている一方で、日本のネット関連のマーケットはライブドアの粉飾決済発覚以降、非常に静かなもんだ。てか、オレもがんばろう。