中国3G携帯は三足鼎立時代へ

日本ではすっかり普及した3Gだが、中国ではまだまだ入り口にたったという段階だ。独自規格にこだわった中国政府が推進したのはTD-SCDMA方式だったが、ここに来て世界標準規格であるCDMA2000、WCDMAのライセンス提供に踏み切った。
これは、大きい。
以前、以下のようなコラムを書いた。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0428&f=column_0428_003.shtml


個人的には、TD-SCDMAを採用する中国の3Gの普及に関しては非常に否定的な見解を持っていたが、今回のWCDMA,CDMA2000のライセンス提供により、状況はガラッと変わってくるだろう。
通信産業ネット:
http://www.ccidcom.com/news/news.php?newsid=37936
記事によると、1/7、工業和信息化部が以下の通りにライセンスを提供すると発表したようだ。
中国移動=>TD-SCDMA方式
中国電信=>CDMA2000方式
中国連合=>WCDMA方式
中国移動とは、日本のNTT DoCoMoのような存在、電信はNTT、中国連合は昨年末、インターネット通信インフラ大手の網通と携帯大手の連通とが合併して出来た会社で、日本で言うと、KDDIのような存在と見て良いだろう。
中国移動の場合、番号を維持したまま2Gから3Gに変わる事が出来るようだが、他社は番号の変更が必要になってくるようだ。
中国で世界標準の3Gがライセンス許可された事のメリットは二つある。
1.グローバルメーカが3G対応の新機種を投入しやすくなったという事(他国で使っている機種を中国に投入出来る為、開発コストが軽く抑えられる)
2.今回、三社にばらばらに提供した事により、顧客獲得争いが激化する。移動の独占になりかけていた市場に変化が起きる。1とも関連するが、魅力的な新機種は電信と連合に提供される為、今回のライセンス提供は中国移動にとってものすごく不利な環境となる。
今回の三社が睨み合う状況を、三国志になぞらえて、三足鼎立という向きもあるようだ。それぞれの長所・短所をまとめると、以下、それぞれ。
TD-SCDMA方式の中国移動:2Gから3Gへの移行に際し、番号変更が不要。現在、圧倒的にユーザ数を持つ中国移動にとって非常に有利。回線普及の為にネットワーク基地の新設が必要で莫大な投資が必要となる(これは中国政府の指導で強制的に行われそうな見込み)。
CDMA2000方式の中国電信:中国電信の既存ネットワークで対応可能(ソフトウェアレベルのバージョンアップは必要)。世界的にはWCDMAより市場を取れておらず、WCDMAの中国連合よりも世界ユーザ数という意味でやや不利。
WCDMA方式の中国連合:全世界で3.2億人のユーザを持つ、事実上の世界標準規格。従って、メーカから提供される機種は最も豊富になると思われる。しかし、TD-SCDMA方式と同じく、広大な土地を持つ中国に無数の基地局を展開する必要があり、莫大な資本、時間が必要になると思われる。
今後、09,10年に3Gの直接投資は2,800億元(4兆円超)と予測されており、景気刺激策としての効果も見込まれるようだ。

4 thoughts on “中国3G携帯は三足鼎立時代へ

  1. Shyujikou

    日本の携帯がそのまま利用できるようになると言うことでしょうかね?

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  2. andy

    そのままってわけにはいかないと思うよ。メーカーさんの開発コストは低コストで済むという事です。
    関係ないけど、結婚おめでとー!

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  3. 犬壱

    はじめまして。
    チャイナユニコムは3Gライセンス提供以前はCDMA2000 1xで展開していたと思うのですが、それの事業はどうなってしまったんですかね?

    Reply
  4. 犬壱

    はじめまして。
    チャイナユニコムは3Gライセンス提供以前はCDMA2000 1xで展開していたと思うのですが、それの事業はどうなってしまったんですかね?

    Reply

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